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大阪エヴェッサ新加入の外国籍2選手はBリーグ初参戦! それでも期待を抱かせる新旧コンビ

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
大阪エヴェッサに新加入したリチャード・ヘンドリックス選手(筆者撮影))

【エヴェッサ新加入の外国籍2選手はBリーグ初参戦】

昨シーズンからロースターを6人も入れ替えて新たなシーズンに挑む大坂エヴェッサ。そのうちの2人が、リチャード・ヘンドリックス選手、ショーン・オマラ選手の外国籍選手だ。

彼ら2人は、いずれも今シーズンがBリーグ初参戦。どのチームにとっても外国籍選手の活躍如何でシーズンの行方が左右されるだけに、この2選手がどこまでBリーグの舞台に適応できるかが、エヴェッサ躍進のカギを握っているといっても過言ではないだろう。

彼らのデビュー戦となったアーリーカップでは、両人ともにそれぞれの持ち味を発揮し、ブースターに期待を抱かせるプレーを披露している。

【実績十分のヘンドリックスはまさに即戦力】

Bリーグ初参戦といっても、11月に33歳になるベテランのヘンドリックス選手は何の心配もないだろう。彼がここまで歩んできたキャリアは文句のつけようのないものだからだ。

アラバマ大学3年時の2008年にウォリアーズからドラフト指名(2巡目)を受けると、NBA公式戦出場は叶わなかったが、そのシーズンNBADリーグ(現Gリーグ)に所属。翌シーズンから活躍の場をヨーロッパに移し、昨シーズンまでスペイン、イスラエル、イタリア、ロシア、トルコ、フランスの各リーグを渡り歩いた強者だ。

「(Bリーグも)バスケットであることに変わりはない。自分は全人生でバスケットをプレーし続けてきた。

大事なことはチームがどんなプレーを目指していくのかを確認し、その中で自分は何をすべきか、何を求められているのかを理解することだ」

203センチ、115キロはBリーグに在籍する外国籍選手の中でも大きな体格とはいえないが、アーリーカップでは技術と経験を生かして相手選手と互角以上の戦いを演じている。2試合の出場で平均16得点、12リバウンド、2.5アシスト、3.0スティールと、オールラウンドな活躍をみせている。

【Bリーグではよりクレバーに】

ただ実績十分のヘンドリックス選手といえども、初のBリーグで多少のアジャストの必要性を感じているようだ。

「これまでのリーグでは個対個、才能対才能で戦うプレースタイルが主だった。だがBリーグではもう少し頭を使ったプレーも必要になってくるように感じている」

だがその一方で、未経験だからこその強みも感じている。

「リーグに関してあまり情報がなく、リーグ内の勢力関係などまったく理解していないので、自分は(相手が誰だろうと)常に勝つ姿勢で試合に臨み続ける。

自分が目標にしているのは、チームが勝つために最善を尽くすこと。そしてチームの目標に向かって最大限貢献できるよう頑張ることだ」

ヘンドリックス選手の言葉の端々から、頼もしさが溢れて出ていなだろうか。

プロ2年目ながら可能性を秘めたショーン・オマラ選手(筆者撮影)
プロ2年目ながら可能性を秘めたショーン・オマラ選手(筆者撮影)

【プロ2年目のオマラが秘めた可能性】

ヘンドリックス選手とは違い、多少の不安要素を抱えているのが、まだ24歳になったばかりのオマラ選手だ。彼は名門校の1つゼビアー大学を卒業し、昨シーズンはフィンランドのリーグに所属していたプロ2年目の選手だ。オマラ選手自身も今回のBリーグ参戦を、「大きなステップアップ」と評している。

本人が説明するところでは、チーム合流後しばらくはチーム練習でもあたふたする状況だったというが、アーリーカップでは2試合に出場し、平均21.0得点、14.0リバウンド、3.5アシスト、3.0ブロックショットを記録。208センチ、111キロの体格を生かし、フロントコートを存在感を示した。

「このリーグでは才能あるアメリカ人同士がフィジカルが強く、高いレベルで競い合っている。自分にとっとは大きな要素だ。このレベルでしっかりプレーできるようにならないといけない。

今回は(アーリーカップで)B2の2チームと対戦し、まずまずやれたと思っている。まだB1チームが未経験だけど、このままいい方向に進んでいければと思っている」

【Bリーグで更なる飛躍を期す】

まだ経験の浅いオマラ選手にとって、Bリーグはプロ選手として更なる飛躍を期す場でもある。ここでしっかり成績を残せるようになれば、欧州などの上部リーグへ移籍する可能性も広がってくる。

そういった意味で、ヘンドリックス選手や昨シーズンから引き続きエヴェッサに残ったジョシュ・ハレルソン選手という実績あるビッグマンと同じチームで練習し、アドバイスを受けることも、オマラ選手には大きな財産になっている。

天日謙作HCはすでにオマラ選手を高く評価し、他の外国籍2選手とともに積極的に起用していく方針を明らかにしている。

「一番いいのは(3人の出場試合数が)40、40、40ですよね。今シーズンはスケジュール的に水曜日のゲームが多いので、その時は普通に(オマラ選手が)今日はオレなのかと思ってくれるくらいにやりたいです。

僕は(オマラ選手が)できると思っていますし、チームの力になれる選手だと思っています」

エヴェッサの外国籍選手トリオがバランスのいい活躍ができた時、チームは長丁場シーズンで思い通りの戦いをし、チーム初のチャンピオンシップ進出が見えてくるはずだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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