【高野町(高野山エリア)】なぜ人はツライのにわざわざ山の中に走りに来るのか?
5月21日(日曜日)に奈良県と和歌山県をまたいで、「Kobo Trail~弘法大師の道~2023」が行われました。
若き日の弘法大師が歩いたとされる「弘法大師の道」を走り抜けるトレイルランニングレースです。
トレイルランニングとは
トレイルランニング大会は、自然の中を走るマラソンのような競技である。道路を走る通常のランニングとは異なり、森林、山岳地帯、河川などの荒地を横断する。トレイルランニングは、ランニングの功績と自然の景色を融合した、不規則で自由なスタイルの競技です。ランナーは山道を上り下りし、狭い登山道を通り、大自然の中を走ることができます。
トレイルランニング大会には、様々な距離があり、馴染みのない地形や天候にも対応する必要があります。競技者は多くの場合、長距離や高低差が大きいコースを走ることになり、自然の中で最高の成果を出すことが求められます。トレイルランニングは、近年注目を集める競技の一つであり、多くのアマチュアランナーからの参加がある。 地域やシーズンによって、トレイルランニング大会の種類も多彩で、標高の高い山岳地帯から低地の川や海岸線まで様々なエリアで開催されます。自然を満喫しながら、ランニングの楽しさを体感できるトレイルランニング大会は、ランナーにとって興味深い挑戦の一つである。(wikipediaより)
▼コース詳細
①吉野山「金峯山寺」~高野山「金剛峯寺」
55.7km(うち舗装路 14.7km /26%)
6時00分 スタート
20時00分 ゴール閉鎖
②天川村「天川村立洞川エコミュージアムセンター」~高野山「金剛峯寺」
43.2km(うち舗装路 15.2km/35%)
8時00分 スタート
20時00分 ゴール閉鎖
※ゴールはどちらも、高野山「金剛峯寺」前広場
この記事はレースの結果には触れません。トップ走者の情報などは他社で掲載されると思うので、興味のある方はそちらをご覧くださいませ。
今回、普段から標高600mの山の中に住んでいて、ヒトよりも動物の方が多く、ちょっと歩けば山道がたくさんあり、周りを見渡しても自然しか無いところに住んでいてトレイルランニングに全く関心を持っていなかった筆者が、「どうしてわざわざ遠くから、しんどいことになると分かっていて、山の中に走りに来るのか?」を知りたくて、終盤の走者8人、全員最低10時間以上は走行されている方々にインタビューさせていただきました。
トレイルランニングの魅力や楽しさ、面白さって何ですか?
・途中の山の景色が素晴らしい
・山が美しい
・自分と戦い、自分を見つめる旅です
・自由。それぞれのスタイルで楽しめるところ
・参加者同士、途中で困っている人を見かけると声をかけて、助けあう雰囲気がいい
・自分のペースで練習しやすい
・まだまだ発展途上なところが面白い
・走行中、一人の時間が長くて自分と向き合える
・自然の中を走るのが好き
途中、しんどくなったらどうされるんですか?
・ひたすらガマン。ガマンのみ。そのうち忍耐力が付いてきます
・私は苦しいことが好き、修業が好き
・完走することだけを考えて足を動かす
・ゴールで待ってくれている人たちのことをイメージする
・くじけそうになった。でも、苦しみも楽しみのうち
・トレイルランニングは修行ありき
今回この大会に参加した理由は何ですか?
・この大会はトレイルランのタイムを競う大会ではなく、自分のペースで走れるので楽しくて参加しました(3回目)
・弘法大師とご縁のある大会なので選びました
・ホラ貝もった人に声援されて、美しい雲海を見ながら山の中を走れるなんて、素晴らしい
・熊野古道が好きなので、今回のコースが大峯奥駈道を通るので参加しました
・この大会はこじんまりしていて、手作り感があるので好き
・毎年自分の衰えを感じるために申し込んでいる
・大きくない大会だから好き
ゴール現場で拝見していると、20時のゴール閉鎖が近づくにつれてあたりは暗くなり終わりの時間が近づくも、今回のコースがかなりハードなためまだまだ走者はたくさん帰ってきており、迎えるスタッフの拍手にも熱がこもり、走者はゴールテープを切る際にアドレナリンが放出されたのかテンションが上がっていて、女性の走者の方はゴール後に結構涙ぐまれていました。
考え方は人それぞれだとは思いますが、実際に12時間以上も走った人を見て、お話を伺って、ゴール後のやりきった感の笑顔を、涙を見て、トレイルランニングは魅力的なものなんだな、と私にも感じることが出来ました。
今までとは違う視点で見ることができそうです。
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「Kobo Trail~弘法大師の道~2023」
主 催:弘法大師の道トレイルランニング実行委員会(奈良県、吉野町、天川村、五條市、野迫川村)
公式HP
コースの特徴
「弘法大師の道」とは、空海の弟子が編纂した詩集「性霊集(しょうりょうしゅう)」の中に、若き日の弘法大師が吉野より南に1日、西に2日歩き、高野を発見したとの記述があり、それを基として現代に甦らせた「吉野山」から「高野山」を繋ぐ道のこと。
奈良県と「弘法大師の道」沿線市町村(吉野町・天川村・五條市・野迫川村・高野町)で構成された実行委員会と奈良県吉野山の金峯山寺(きんぷせんじ)・和歌山県高野山の金剛峯寺(こんごうぶじ)との連携によって、平成 22 年(2010 年)から「道」の踏査に取り組み、平成 26 年(2014 年)に全行程の踏査が終了し、お披露目されることになった。
「KoboTrail」では、金峯山寺、天川村洞川の2地点をスタート地点とし、ともに金剛峯寺を目指す。長らく人が通らず道なき道となっている部分もあるが、世界遺産登録区域である「大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)」の一部を走ることができる。(奈良県報道資料より)
参加者数
①吉野山「金峯山寺」~高野山「金剛峯寺」 140名
②天川村「天川村立洞川エコミュージアムセンター」~高野山「金剛峯寺」 47名
最高齢 男性73歳、女性62歳
※参加者年齢は50代以上が多いとのこと。