新たな熱帯低気圧が発生へ、今後北上しつつ台風となるおそれもあり要注意
台風8号は非常に強い勢力に発達
台風8号はきょう午前9時に九州の西海上で非常に強い勢力となりました。
中心気圧は950hPa、最大風速45メートル、最大瞬間風速60メートルで、今夜にかけて最盛期の状態を維持しながら東シナ海から黄海へ進み、あすはやや弱まるものの、それでも強い勢力を維持しつつ、中国あるいは北朝鮮付近へ上陸する見込みです。
上陸が予想される地域では、台風が強い勢力のまま直撃することはほとんどなく、特に風に関しては記録的な暴風に見舞われるおそれがあり、合わせて高潮や大雨などの被害も非常に心配される状況です。
新たな熱帯低気圧が発生し、北上へ
タイトル画像をみると、台風8号の丸い雲の他、日本の南海上にはあちらこちら沢山の雲が湧きたっている状態です。
こんな中、フィリピンの東海上には新たな低圧部が解析されています。
低圧部とは周囲より気圧は低く、循環は認められるものの、中心付近がはっきりしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)で、中心付近がはっきりしてくれば、台風のたまご、熱帯低気圧の発生ということになります。
気象庁の天気図の予想をみると、現在発生している低圧部は今夜には熱帯低気圧となり、あす27日(木)午後9時には中心気圧が1000hPaまで下がる予想で、まだ気象庁から公式的な情報は出されていませんが、フィリピンの東海上で中心気圧が1000hPaというのは台風へ発達する一歩前の状態とも考えられ、この熱帯低気圧(あるいは台風)の週末から週明けにかけての動向が非常に気がかりです。
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の予想では?
参考までに、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の計算では、今後発生が予想される熱帯低気圧が発達しながら、30日(日)から31日(月)にかけて、沖縄付近を北上する予想です。(*上図ではあえて台と表示)
その後は東シナ海から転向し、来週の後半にかけて、日本海へ進むような計算となっています。
これはあくまでもヨーロッパ中期予報センターの計算による参考ですが、種々の計算でも、週末から週明けにかけて沖縄周辺に北上してくる予想で比較的そろっていますので、沖縄や奄美はまず今後の進路に要注意と言えます。
その後の進路は太平洋高気圧の勢力や北から南下してくる偏西風の流れが大きく影響するため、まだかなり不確実な状況です。
海水温は非常に高く、一気に強まる計算も
フィリピンの東海上から日本の南海上の海水温は平年より高く、特に日本の南海上は2℃以上も高いため、西日本の沿岸まで30℃位ある状態です。
現在、九州の西海上を北上している台風8号も北緯30度を越えてから発達のピークを迎えているように、今後北上が予想される熱帯擾乱も、状況によっては列島に近づきつつ一気に勢力を強めてくる計算もあり、十分な注意が必要です。