【神戸市】明治に建てられた「住吉ステーションの碑」の先にはさらに古い175年も前の石碑があった
珍しい「ステーション」とカタカナで刻まれた碑
国道43号線沿いの東灘区御影本町2丁目の角には「ステーション」とカタカナで刻まれた碑が建っています。「ステーション」の文字からそんなに古い時代のものではないのかと思ってましたが、なんと明治14年に建てられた歴史ある碑でした。今から143年前です。
この碑には解説板も設置されていて、これによれば明治7年に大阪神戸間に敷かれた鉄道の住吉駅への道標とのこと。この碑は明治14年に建てられていますが、「駅」ではなく「ステーション」と表記しているところに文明開化の明治期の一端が垣間見られるところが興味深いです。
さらに嘉永2年の碑がここにあった
住吉ステーションの碑から43号線沿いを大阪方面に向かい少し進んだところにもうひとつ道標の碑をみつけました。こちらの碑は、「徳本上人石碑」と刻まれています。調べてみると「徳本上人(とくほんしょうにん)」とは、和歌山県出身で江戸時代後期に活躍した浄土宗の高僧。徳本上人の碑は各地にあるらしく、弟子たちが徳本上人が訪ねた場所に碑を建てていたそうです。さらによく見てみると「是ヨリ 徳本上人石碑 十八丁」とあり、この先にある徳本寺への道標なのでしょうか。
碑の裏側を見てみると「嘉永二」の文字が読めます。嘉永2年といえば1849年、ペリーが黒船で来航したのが嘉永6年ですからそれ以前に建てられた碑ということです。道を歩いているときは見向きもしない石碑も175年も前のだと言われるとまた見え方も変わってきます。身近にある石碑などから歴史を振り返ってみるのも楽しいですね。
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