BAND-MAID、『ロラパルーザ2023』で大躍進。海外で注目されるその理由とは?
国内アーティストの海外での評価が高まっている。かつては“ガラパゴス化”と揶揄された日本の音楽シーンの特異性に注目が集まっていることへのあらわれだ。なかでも、可憐なコスチュームとは裏腹に骨太なロックを轟かせるBAND-MAIDの躍進は目覚ましい。
注目は、これまでの海外ライブでの活躍の集大成として、アメリカ3大ロックフェスのひとつと呼ばれる音楽フェス、シカゴのグラント・パークで開催された『Lollapalooza Chicago』への出演だ。日本人バンドとしては2010年に出演したX JAPAN以来13年ぶりの出演となった。
フェスティバルの2日目、2023年8月4日。BAND-MAID による、全13曲1時間にわたるエモーショナルなライブで2万人のオーディエンスを沸かしたことは事件となった。ヘッドライナーにはケンドリック・ラマー、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、Odesza、TOMORROW X TOGETHER、ラナ・デル・レイ、カロルG、The 1975、そして、ビリー・アイリッシュ、NewJeansといった多様なアーティストが揃った、世界最高峰のロックフェスティバルでの大躍進だ。
BAND-MAIDはバンド名にも通じる、特徴的なメイド服風ファッションに身を包みながら、テクニカルかつヘヴィな演奏を響かせた。よい意味でのギャップ感が、相乗効果を生んでエンタテインメントとなったのである。それは、かつてのKISSやモトリー・クルー、そしてヴィジュアル系の元祖、X JAPANにも通じる、サウンド同様にヴィジュアルでもインパクトを与える独自性の表れだ。
これまで日本アーティストが海外でブレイクしていくためには“日本語という言語の障壁、発音問題が課題だ”と、言われ続けてきた。しかし、YouTubeなど映像を通じてオーディオ&ヴィジュアルの掛け合わせでアーティストの魅力を表現する手法の浸透。さらに、国境を超えてプレイリストを通じて新たなアーティストとの出会いを拡げたストリーミング文化の拡がり。そして、多種多様なカルチャーが折り重なるロックフェスという現場のあり方。ワールドワイドなエージェントシステムも味方し、これらが交差しあって、新たなチャンスが到来した。
今年は相次いで海外フェスへ出演した、BAND-MAID。フロリダ『Welcome to Rockville』、オハイオ『Sonic Temple』、セントルイス『POINTFEST RADIOSHOW』に続き、アメリカ4本目のフェスが『Lollapalooza』となった。そもそも、2016年3月に、アメリカにて海外初ライブを経験したことからすべてははじまった。続いて、同年秋にはメキシコ、イギリス、ドイツ、フランス、ポーランド、イタリア、スペイン、香港の8ヵ国9公演のワールドツアーを実施。2019年には、世界最大の興行エージェントであるライブ・ネイションと提携した選択も功を奏し、10年間の活動の積み重ねが世界制覇への道へと通じているのである。
世界中のファンから愛されYouTubeでの総再生回数が1億8千万回を超えたBAND-MAID。まさに、10年間の活動の成果が可視化された2023年だ。すでに、『ローリングストーン』など海外メディアでも絶賛の声も大きいことにも着目したい。
さらに、BAND-MAIDのニューシングル「Shambles」は、9月21日よりNetflixで配信スタートするアニメ『ケンガンアシュラ』シーズン2のED主題歌に決定している。『Lollapalooza Chicago』公演と同日にリリースされ、世界的な熱狂の渦を巻き起こしており、注目がさらに高まっている。
今年は、アメリカとメキシコ・ツアーが続き、現在『BAND-MAID 10TH ANNIVERSARY TOUR"』として国内でも全国ツアーが行われている、BAND-MAID。ツアーファイナルは、今秋11月26日に、横浜アリーナで開催される。現在進行形で世界制覇を目論むバンドの最新系を目撃すべきだ。あなたは歴史の証言者となる。
BAND-MAID オフィシャルサイト