「AI生成作品の取り扱いを禁止」pixivが『FANBOX』でAIを使った支援募集を停止すると発表
pixivは同社が運営するファンコミュニティサービス『FANBOX』において、AI生成作品の取り扱いを禁止し、AI生成作品を用いた投稿への警告や非公開化、アカウントの停止を行う意向を5月10日に発表しました。
「大量に作成されたコンテンツを販売することのみを目的に利用されることが多い」
pixivによると、「現在の『FANBOX』では、生成AI技術により短期間で大量に作成されたコンテンツを販売することのみを目的に利用されることが多く、今後もその傾向はより強まっていくと感じて」おり、「それは本来私たちが目指していたサービスの姿とは異なる」ため、『FANBOX』では「AI生成作品の取り扱いを当面のあいだ禁止することを決定した」とのことです。
新しい利用規約やガイドラインは後日発表となっているものの、発効後は「AI生成作品を用いた投稿への警告や非公開化、クリエイターアカウントの停止」などを随時行うとしています。
また、これは「既存の投稿やクリエイターアカウントについても同様の対応」が取られるそうです。
つまり今後は『FANBOX』においてAI生成作品による支援の募集ができないことになります。
わかりやすく言うと、もう『FANBOX』ではAI生成作品でお金を稼ぐことはできません。
画像生成AIによる無断学習先として批判を受けていたpixiv
今回、pixivがこのような対応を発表した背景には、画像生成AIによるイラストの無断学習において、pixivがそのイラストの取得先になっているとの批判の声が出たためだと考えられます。
現在の日本の法律においてイラストを学習することは合法だと定められていますが、特定のイラストレーターの作品に酷似した絵柄のイラストを販売したり、そうしたイラストを使ってイラストレーター本人に対して嫌がらせを行ったりする悪意あるAIユーザーが日々、トラブルを起こしていました。
このため、AI生成作品の発表を受け入れているpixivに対して「AIユーザーを許すのか」といった批判の声が高まり、先日はイラストレーターたちがpixivからイラストを非公開にする、もしくは削除するといった動きも出ていました。
こうした動きと、今後もAI生成作品の投稿が収まる気配が見えないことから、pixivは『FANBOX』におけるAI生成作品による支援の募集停止を決定したものと考えられます。
なお、pixivにおいては今後もAI生成作品の投稿は受け付けるものの、他人の活動をおびやかす行為、児童ポルノ、盗作などの監視や、プログラムなどでクリエイターの作品が不当に収集されることについて改めて対処することが発表されています。