【不登校】新年度スタートは再登校のきっかけになる?
不登校が続いている中、再登校の機会をつかむのに最適なのが新年度の始まりです。今回は、どんな場合に再登校しやすくなるのか、事前準備や登校時のポイントなどを元教師が解説していきます。
新年度スタートは再登校のきっかけになる可能性がある
4月の新年度を迎える際には「クラス替え」や「担任の変更」など、環境が大きく変わることでこれまで不登校だった子でも登校できるようになる可能性があります。もちろん、全員が再登校のきっかけを掴めるわけではありませんが、平常時よりも学校に行きやすいタイミングであることは確かです。不登校が続くと、登校した際に注目されてしまう心配がありますが、新年度ならクラス替えなどで学校全体が慌ただしくなっており、他の生徒から注目を浴びずに教室に入れる可能性が高くなります。
不登校が続いても新年度に再登校ができるようになる事例
過去に不登校だった子でも、新しい学年の始まりが登校のきっかけとなり、学校に通えるようになるケースがあります。ただし、新学年が登校のきっかけになるのは一部の場合であり、以下のような状況が該当します。
- 前のクラスに合わない子がいたが新しいクラスにはいなかった場合
- 仲の良い友だちとクラスが一緒になった場合
- 前担任とは相性が合わなかったが新しい学年で担任が変わった場合
- 行きたい気持ちはずっとあったものの、行くきっかけを掴めずにいた場合
上記以外でも新年度がきっかけになることもありますが、一般的には『誰と同じクラスになるのか』や『担任が誰か』といった要素がポイントになるでしょう。
新年度前にクラス替えでの配慮をお願いするのはあり!
新しい学年が始まるタイミングでは、クラス編成に関する配慮を事前に考えておくと良いでしょう。例えば、『クラス替えに際しての配慮をお願いする』という形で、準備をしておくことがおすすめです。一般的に、『Aさんと同じクラスになりたい』という要望は叶いにくいものですが、『以前トラブルがあったBさんとは別のクラスにしてほしい』という要望は受け入れられることが多いのです。
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【秘密の話】クラス替えはどうやって決まる?仲良しの子とバラバラにされるのはなぜ?
先生も、クラス内での円滑な関係を保つことを重視しているため、基本的にはできる範囲で対応してくれることがほとんどです。クラス編成に関する配慮については子どもが担任に相談するのではなく、保護者の方が直接担任にその理由を伝えるとより効果的です。
新学年スタート時には新担任と早めにコンタクトを
新学年が始まった際には心配事を早めに担任に相談することで、大きなトラブルを避けることができます。前担任とのやり取りが新担任に伝わっていない場合もあるため、新しい担任が決まったら早めにコンタクトを取ると良いでしょう。適切な引き継ぎが行われていれば、新担任から保護者の方に面談等を提案する場合が多いですが、親御さんの方から提案していただいても問題ありません。学校の三者面談に限らず、不安なことがあればいつでも相談して大丈夫です。
始業式前の登校などスタートの切りやすい環境作りを
新しい学年が始まるタイミングは、子どもが再び学校に足を運ぶ気持ちになりやすい絶好のチャンス。しかし、子どもが今どう考えているのか、気持ちを尊重することが何よりも大切です。しつこく勧めたり、期待をかけすぎたりすると、子どもが『学校に行かなければいけない』と追い詰められてしまうかもしれません。だからこそ、まずは子ども自身がどうしたいのか、気持ちをじっくり確認することが大切です。
始業式はクラスの列に並べなくても大丈夫
子どもが春休み明けから学校へ行きたいと思っている場合、学校が半日で終わることの多い始業式の日が狙い目です。体育館で始業式が行われる場合、クラスの列に並ぶのが難しければ体育館の後方で参加するだけでも十分ですよ(保健室の先生などが付き添ってくれます)。また、教室で過ごすのが難しい場合は別室登校から始めてみても良いかもしれません。
他の生徒がいない日に登校してみるのもおすすめ
場合によっては学校と相談をして、まだ他の生徒が登校してこない始業式前日などに慣らしで登校してみるのもおすすめです。まずは「登校をする」「校内に入る」という一歩を踏み出せると良いですね。学校と連携を取りつつ、お子さんが一歩踏み出せそうな環境作りを一緒に考えていきましょう。