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【似顔絵】イラストレーターはどうやって似せているか?【母の日】

かとう・さくらイラストレーター

こんにちは。

イラストレーターのかとう・さくらです。

「今日からあなたも絵描きさん」をテーマに、楽しく絵を描くアイデアやコツをお伝えしています。

今週末は母の日ですね!

プレゼントの準備はお済みですか?

ゴールデンウィークの帰省時にもう渡したよ、と言う方もみえるかもしれませんね。

まだの方はプレゼントに添えて、もう渡したよと言う方は当日にメールに添付して、サプライズで似顔絵を贈ってみませんか?

お子さんと一緒にお母さん(お子さんから見たらおばあちゃん)のお顔を描いてみるのも楽しそうです。

本日のお題は「お母さんの似顔絵」です。

私が似顔絵を似せる時に考えていること、ちょっとしたコツなどをお伝えします!

準備するもの

・お母さんの写真 (正面から顔全体がはっきり写ったものがベスト)

・紙と鉛筆やペン

・色を塗る道具 (カラーにする場合)

描き方

1)アタリをつける

まずは描きたい顔の大きさと位置を決めましょう。

少し縦長の丸で描きます。

ついでに縦横3本ずつ、線を引いておくと次がラクです。

等間隔に引きますが、目分量で大丈夫。

あとで消すので鉛筆で描くか、本番用紙とは別の紙に描いてくださいね。

2)基本の顔を描く

アタリ線を参考に、「基本の顔」を描きます。

この時点では似ているか考えなくてかまいません。

上の絵をそのまま真似してみてください。

3)観察する

お母さん(描きたい人)の写真を用意します。

私は今回こちらの女性を描いてみたいと思います。

(画像出典;Unsplash)
(画像出典;Unsplash)

印刷した写真、もしくはスマホ画面を紙の横に並べてみてください。

先ほど描いた「基本の顔」と見比べてみましょう。

頭の中で、赤丸と点線を補足して考えると分かりやすいです。

描ける方は写真に描き込んでもかまいません。

さてどこが違うかな?

写真の女性は、基本の顔と比べて…

①おでこが広い
②目と眉が近い
③鼻が大きい
④口が上の方にある

4つの違いを見つけました。

4)顔のパーツを描く

では本番です。

「基本の顔」は消しゴムで薄くしておくか、本番用の紙を上に重ねてください。

先ほど見つけた4つの違いを意識しながら、顔のパーツを描いていきます。

①おでこを広くしたいので、眉は基本の顔より下に。

②眉の下近くに目。

③鼻は基本より少し下に、少し大きく高く。

④口は下唇が基本より上におさまるように。

パーツの形は写真を参考に描きます。

眉は左右の端が同じ高さで、全体の太さが同じアーチ状。

目は目頭側が目立つ二重まぶた。

口は片方の口角がキュッと上がっている。

唇の形も特徴的ですね。

顔のパーツは、角度、大きさ、そして形が人によって大きく違います。

写真をじっくり観察して描いていきましょう。

5)輪郭を描く

写真を見ながら、顔の輪郭を描きます。

頬はまっすぐ下に向かうラインで、あごの先はやや丸みを帯びています。

輪郭は全て繋げず、途切れた線で描いても良いです。

耳が見える場合は、耳も描きます。

耳の形は写真を参考に、基本の顔とも見比べながら…

ピアスやイアリングも忘れずに。

ついでに髪のアタリもとっておきましょう。

一本一本の毛だと考えず、ぼんやりと全体のシルエットだけを見るのがコツです。

髪のシルエットが似ていると、似顔絵全体も似て見えます!

6)髪を描く

アタリに合わせて、髪を描きます。

細かな線の集合で描かず、輪郭を描くイメージです。

ウェーブの凹凸は正確に模写しなくても大丈夫。

カールやストレートではなく、ウェーブヘアだと伝わればOKです。

7)服を描く

写真を見ながら服を描きます。

たくさん描くのは大変ですし、襟周りだけで十分でしょう。

服のしわや細かい構造までは考えず、特徴だけ抜き出しましょう。

今回の場合なら、ノーカラーのジャケットと、丸いペンダントですね。

8)線画の完成!

もう一度写真を見て、最後の調整をします。

具体的にした調整はこちら。

①目尻が下がるように右目の角度を少し変える
②目にハイライト(光を表す白い丸)を入れる
③歯を表す縦線を足す

歯の縦線は全部正確に描くと歯ばかりが目立ちすぎてしまうので、控えめに2本にしました。

お疲れ様でした。

これで似顔絵(線画)の完成です!

シンプルに線画だけの似顔絵も良いと思います。

髪の色が特徴的な場合や、トレードマークとなる服の色がある場合などは、色塗りもするとより似た感じになりますね。

せっかくなので、色も塗ってみました。

いかがでしたか?

今回は私が似顔絵を描く時に考えていることを文字にしてみました。

プロの似顔絵師さんになると、「基本の顔」は描かずにいきなり本番の線を描かれていますね。

顔に角度をつけたり、表情に動きをつけたり、顔の特徴を強調してデフォルメしたり…

描くスピードも早く、写真ではなく目の前でお客さんと会話しながら描かれる方も多いですし、

やっぱりプロは違うなぁ、すごいなぁと思いながら、私は今日も基本の顔を描いています。

(いつかいきなり本番が描けるようになりたい…!)

以上、母の日に合わせて、「お母さんの似顔絵」の描き方でした。

男性や子供の似顔絵の描き方についてもまたお伝えできたらいいなと思いつつ…。

それではまた。

イラストレーター

うさぎと猫と恐竜が好きなイラストレーター。三重県出身、管理栄養士、二児の母。「かわいくて、ほっとする。やさしい世界」をコンセプトに絵を描いています。

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