【子育ての疑問】甘えさせると甘やかす、どう違う?
子育てをしていて、ふと疑問に思うことはありませんか。「自分の子育ては、正しい!」と胸を張って、答えられる人のほうが少ないのではないでしょうか。他人に指摘され、「自分の対応は間違っていた?」と不安になることもあるかもしれません。今回は、理解しているようで意外と難しい『甘えさせると甘やかすの違い』について、考えてみましょう。
甘えることは、心の自立に必要不可欠
『甘える』と『自立する』は対極にあるように思いますが、”安心できる場所”があるからこそ、子どもは自分で「やってみたい」と挑戦できます。そして、失敗したときに、安心して戻れる場所があると、また挑戦する気持ちが湧いてきます。また、子どもが甘えるのにはきちんと理由があり、親の愛を確かめたいからです。親に甘えられなかったり、こたえてもらえなかったりした場合は、不安を抱いたままになり、心が自立に向かうことが妨げられてしまいます。
不安があるままでは、当然ながら、親子の信頼関係を築くことも難しいでしょう。人間関係においても同じで、親子の信頼関係があることで、家庭から社会へと関心が広がっていきます。また、親に愛されているという確信があると、何事にも自信を持って取り組めます。
『甘えさせる』と『甘やかす』の違いは?
子どもが情緒的なことやスキンシップを求めてくるとき、子どもが抱く気持ちから出る要求があるときは、”甘えたい”サインです。 例えば、子どもが「話聞いて!」「抱っこして~」と言ったときは、情緒的なこと・スキンシップを求めているので、“甘えさせる”に当たります。また、日頃一人でできることを、「手伝って」と言うのは、子どもが不安を感じたり、注目してほしかったりなど、子どもの思いから出る要求なので、手伝ってあげたほうがよいです。
金銭的・物質的な要求全てにこたえる、親の都合からの行為は、甘やかしに当たります。例えば、「これ買って」など、金銭的・物質的な要求が子どもから出た際に、「仕方ないわね、今日だけよ」と要求に応えてしまうと、思うツボなのです。こういった要求が出た際は、「おやつは1日1回だけだよ」など、最初に決めた約束を守ることが大切です。意外と見落としがちなのは、子どもが挑戦しようとしていることに、「後片付けが大変だから」と代わりにやってしまうことは、親の都合による行為なので“甘やかし”になります。
甘やかすことは、甘えたことにはならない
“甘やかす”ことは、親が過干渉や過保護の状態でもあり、子どもは正しく甘えられておらず、心の自立も妨げられてしまいます。いつまでも心が自立しないと、問題が起こった際に、他人に責任転嫁したり、相手の気持ちを考えることが苦手となり、自己中心的な考えかたにもつながります。相手と譲り合うことが苦手なままだと、社会に出てからも、生き辛さを感じることにつながりかねません。
判断に迷う場合や、どうしても要求に応えられないときは、子どもが理解できるように、説明しましょう。「駄々をこねる」原因の1つには、日常の親との関わりが少ない可能性が考えられます。子どもも私たち親のことを試しており、「ここでならきっと叶えてもらえる」と思っている場面で、受け入れてもらえなければ、不信感を募らせてしまいます。駄々をこねたら、正しく甘えさせてあげることが大切です。