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眞子さまと佳子さまの「リンクコーデ」 ファッションから読み解く姉妹の関係

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
眞子さまと佳子さま(写真:Motoo Naka/アフロ)

 令和2年も残すところ2ヶ月を切った。

 今年はコロナ禍の影響で皇室の方々の動静を伝えるニュースは例年より減ったが、11月の立皇嗣の礼以降、皇室の方々のお誕生日などが続き、テレビでお姿を拝見する機会がぐっと増えるであろう。

 そこで注目されるのが、女性皇族方の華やかなファッションだ。

■眞子さまのドレスとご心境の変化

 今、皇室の方々がどんな思いで過ごされていらっしゃるのかを、ファッション評論家の石原裕子さんに、その装いのデザインや色合いから分析してもらった。

 最初に石原さんが目を留めたのは、お正月の恒例行事、新年一般参賀でのファッション。

 令和となって初めてとあって、皇居・宮殿前にのべ6万人以上の人びとが集り、新年をお祝いした。宮殿のベランダには、イエローのローブモンタントをお召しになった皇后・雅子さまを中心にして、女性皇族方は淡い水色やグリーン系などの華やかな色味を選んでいらっしゃった。

 この女性皇族方が勢揃いされるご様子に、石原さんが注目しているのは……

「秋篠宮家の紀子さまと眞子さま、佳子さまのお三方は身長がほぼ同じで、効果的な色違いの華やかなローブモンタント姿を拝見するのが、大きな楽しみでもあります」

 しかし、今年の眞子さまは、いつもと異なる大胆で個性的な装いだった。

 中央はロイヤルブルーのタフタで、両サイドはミッドナイトブルーのベルベットをあしらった2色使い。一見、少し浮いているような印象を放っていた。

 この装いにはどんな意図があったのか、石原さんに伺った。

「眞子さまのローブモンタントは、大きく三つに分かれたブロックラインとバックスタイルのペプラムのひだが、まるで中世ヨーロッパの宮廷ドレスのようで、歴代の皇后さまのファッションを彷彿とさせるドラマティックな表現のものでした。このドレスをお選びになった理由は、日本の女性皇族としての責任に目覚められ、ご覚悟ができたせいではないでしょうか?普段はおっとり静かな眞子さまも、長女として皇室を支えるご意志は揺るがないお気持ちが、この突然のファッションテイストの変化から読み取れます」

 と、石原さんは眞子さまの変化から、皇族としてその責務を果たそうとの強い思いを感じ取ったようだ。

 また、これからのことまで考えているのだと指摘する。

「このドレスでしたら、スカートの丈を調節すれば、宮中でのお長服にとどまらず、末永くパーティドレスとしてお召しになれると思います」

 

■姉妹のリンクコーデが意味するものとは

 さらに石原さんが着目したのは、10月に眞子さまのお誕生日に際して公開された映像だった。

 眞子さまはチョコレート色のトップスに、シンプルなフレアスカート。ご一緒に登場された佳子さまは白いトップスに、ココアブラウンのロングフレアスカートでコーディネートを揃えていらっしゃった。

 この装いに石原さんは……

「お二人はこの秋流行のブラウン系の色で統一され、特に佳子さまのスカートは若い女性の中で人気のレース素材で、花柄であることも鋭いファッションの感性をお持ちだと思いました。注目なのは、裾が広がったロングのフレアスカートで “リンクコーデ” をなさっていたことですね」

 “リンクコーデ” とは、親子や姉妹、友達同士で雰囲気を揃える、仲良しコーディネートのこと。全く同じデザインや色を身に付けるペアルックとは違い、さりげなく装いを合わせて演出する、若者たちの間で流行りの着こなしである。

 こうした装いから、どんなことが読み取れるのだろうか?

「リンクコーデにすることで、佳子さまは常にお姉さまを尊敬し、憧れていることを表され、私はお姉さまの味方ですと寄り添おうとされたのではないでしょうか」

■「立皇嗣の礼」での姉妹ファッション

 11月8日に行われた「立皇嗣の礼」では、眞子さまは光沢のある白のローブモンタントに対し、佳子さまはハッと目を引く鮮やかな深紅のローブモンタントで参列されていた。

 いわば白と赤。まさに日本の国旗「日の丸」を意識されたのではないだろうか。

 コロナ禍によって多くの行事が縮小や中止された令和2年、「立皇嗣の礼」において再び国民一丸となって、ともに困難に打ち勝とうというお二人からのメッセージと、筆者は受け取った。

 そしてそれは、眞子さまと佳子さまの強い絆を感じさせるものだった。

 眞子さまの結婚問題がかまびすしく取り上げられているが、佳子さまのお姉さまに対する思いは、こうしたファッションにも表れているような気がする。

 眞子さまを応援する佳子さまのお気持ちは、2年前の文書回答にも綴られていた。

「私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています」(平成31年、佳子さまの国際基督教大学ご卒業に際しての文書回答)

 

 これはあくまで筆者の主観に過ぎないが、「立皇嗣の礼」で眞子さまがお召しになっていた白いドレスは、どこか白無垢の花嫁衣裳と重なって見えたのは気のせいだろうか。

放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。西武文理大学非常勤講師。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)などがある。

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