記録的少雨だった11月の関東地方、12月も続く?
記録的少雨の関東地方
気象庁が発表している過去30日間の降水量の平年比をみると、今年の11月は北日本の日本海側や九州などで平年より降水量の多い地域もありますが、全国的には平年を下回っている地域が多く、特に関東地方では平年の20%未満を示す濃い茶色が広がっており、顕著な少雨傾向となっています。
東京都心は146年間で3番目に少ない
11月に入ってから東京都心で0.5ミリ以上の日降水量を観測した日は、2日2.5ミリ、3日4.5ミリ、8日2.5ミリ、25日5.0ミリの4日間で、合計の降水量は14.5ミリとなっています。
11月の平年値は92.5ミリですから、わずか約16%しか降っておらず、暫定ではありますが、観測のある1875年以降、3番目に少ない記録となっており、きょう30日も雨の可能性はほとんどありませんから、おそらくこれが確定値になるものと思われます。
東京都心以外も関東地方では記録的に少ない降水量となっており、横浜は9.0ミリで、観測史上最少の記録を更新する可能性が高い他、千葉は15.5ミリで観測史上2番目に少なく、また山梨県の甲府でも4.5ミリと観測史上4番目に少ない記録となりそうです。
もともと11月になると、西高東低の冬型の気圧配置の日が多くなるため、しぐれ模様となる日本海側では降水量が多く、太平洋側では逆に少なくなるものではありますが、特に今年、関東地方で降水量が極端に少ないのは、まとまった降水量をもたらす南岸低気圧がほとんど出現していないことが挙げられます。
さらに何度か通過した寒冷前線も、関東地方に差し掛かると、西部や北部の山で雨雲が弱まってしまい、ほとんど降水がもたらされなかったことも少雨の要因となっています。
引き続き、顕著な少雨傾向も?
では師走に入ると、どうなるでしょうか?
ウェザーマップによる16日間予報をみると、この先も傘のマークはなく、晴れたり曇ったりの天気傾向が12月の前半にかけて続く見込みです。
これは前述したような南岸低気圧が来週にかけても出現する可能性が小さいためで、雨雲がかかったとしてもまとまった雨となるような可能性は小さく、東京都心を含めて、関東地方の顕著な少雨傾向はまだまだ続く可能性が大きいと思われます。
気象庁の1か月予報でも少雨予想
気象庁が発表している最新の1か月予報でも、12月末にかけて、関東から九州にかけては降水量が少なくなる可能性が大きいとみられており、もともと冬季に極端に乾燥しがちな関東地方では、例年以上の乾燥対策が必要となるかもしれません。