原爆ミームに好意的反応で炎上した映画『バービー』は本当に謝罪してる? 批判受けた投稿以外は削除せず
映画『バービー』の海外公式『X(Twitter)』アカウントが原爆ミームに好意的な返信をして炎上し、米ワーナー・ブラザースがプレス向けに謝罪文を送付した件ですが、本当に謝罪する気持ちがあるのでしょうか?
ファン発「バービー×原爆」ファンアートに好意的な返信で炎上
この問題は映画『バービー』と『オッペンハイマー』のアメリカでの同日公開と人気を受け、両者をかけ合わせたネットミーム「#BARBENHEIMER」が誕生したことから始まります。
その流れのなかでバービーと原爆をあわせて表現するファンアートが生まれ、それに映画『バービー』の海外公式『X(Twitter)』アカウントが「忘れられない夏になりそう」とハートマーク付きで投稿したために、日本のユーザーから批判が殺到しました。
こうした日本からの批判に対して、映画『バービー』の配給元であるワーナー・ブラザース・ジャパン合同会社はいち早く反応し、「アメリカ本社に然るべき対応を求めています」と発表。
その後、海外メディアもこの話題を取り上げ始め、最終的にアメリカのワーナー・ブラザースが謝罪文をプレス向けに発表するという流れとなりました。
米ワーナー・ブラザーズの謝罪文
ただ、本当に謝罪しているのか? というか、謝罪する気持ちがあるのか不明です。
謝罪文はプレス向けで確認できず
と言うのも、発表された謝罪文はプレス向けに送られているだけであり、記事執筆時点では米ワーナー・ブラザースの公式サイトでも映画『バービー』の公式サイトでも公式『X(Twitter)』アカウントでも謝罪の発表を確認できないからです。
要するにここで言いたいのは、私たち日本人は「あの件、ワーナー謝ってたらしいよ」と人づてに聞くしか方法がないということです。
もちろん、このような解釈は重箱の隅をつつくようなものだと思われる人もいるでしょう。
ただ、今回わざわざ記事を書いたのは、『バービー』海外公式アカウントの原爆ミームへの好意的な返信がまだ残っているからなのです。
削除したのは批判を受けた2ツイートだけ。それ以外は放置
原爆ミームへの返信で削除されたのは、数多くの批判を受けた次の2つのツイートです。
たしかにこれらはいまは消えているのですが、話題にならなかったほかの返信は残っています。
例えば以下の原子爆弾のものと思われる爆発を背景にしたバービーとケンのファンアートに対して、『バービー』海外公式アカウントは「私たちはいつもピンクを考えています」とハート付きで好意的な返信をしています。
しかし、これはいまも削除されていません。
また、映画『オッペンハイマー』を観た人が、何らかの問題により画面半分がピンクになったことについて「これが本当のBarbenheimmerだ」と投稿したことに対しても、公式アカウントは「彼らはピンクのメモを受け取った」と絵文字付きで返信しています。
これも、削除されていません。
謝罪文にある原爆とからめた投稿に対して好意的に返信する“最近の無神経なソーシャルメディアへの反応”を“遺憾に思って”いたの文言は何だったんでしょうか?
怒られたものだけ削除して「すみませんでしたー」って言うのは本当に謝罪なのでしょうか?
べつに謝罪が欲しいわけではありません。
ただ、本当に“遺憾”だと思っているのであれば、目立った批判を受けていなくても過去に“最近の無神経なソーシャルメディアへの反応”をしてないかさかのぼって確認するぐらいのことはするものじゃないでしょうか?
少なくとも状況を見るかぎりでは、「米ワーナー・ブラザースが謝罪した」は事実としてちょっと受け入れられないというか、「とりあえず形だけ謝りましたが、そのことは対外的に記録が残る形では発表できません」がより正確なのではないかと思いました。