NY金3日:ドル安継続も、ETF売りや米金利上昇で反落
COMEX金6月限 前日比比9.50ドル安
始値 1,193.80ドル
高値 1,195.60ドル
安値 1,179.10ドル
終値 1,184.90ドル
前日に続いてドルは軟調に推移したが、金相場は反落した。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がユーロ圏経済における回復の兆候に言及したことを受けて、為替市場ではユーロの買い戻しが進んでいることが、相対的にドルの軟化を促している。前日はこうしたドル安を背景に金相場は上昇したが、本日はドル安に逆行する形で下値追いの展開になっている。
5月ADP雇用統計が発表されているが、雇用者数が前月比+20.1万人となり、前月の+16.5万人(速報値は+16.9万人)から上振れして、雇用環境が一定の底堅さを示したことがネガティブ材料視されている。市場予測+20.0万人と大きな違いはなかったが、5日に労働省が発表する雇用統計でも悪い数値が出てくる可能性は低いとの見方が、改めて金相場の上値を圧迫している。米長期金利は今年の最高を更新しており、債券市場が利上げイベントに対する警戒感を強めていることも金相場に対してはネガティブ。ドル安環境にあって大きく値崩れを起こすには至らなかったが、一時は二桁の下げ幅を記録するなど、上値の重さが再確認できる状況にある。
また、金上場投資信託(ETF)における換金売り圧力の強さも注目を集めている。6月1日-2.41トン、2日5.45トンとまとまった売りが入り、ETF投資残高は今年の最低値を更新している。定期相場は膠着気味の展開が続いているが、金ETF市場では金投資からの離脱傾向が改めて加速していることが、需給・心理面でのネガティブ材料と評価されている。
引き続きボックス圏内での値動きだが、ドル安局面での反発力の鈍さからも、金相場の地合の悪さが再確認できる。改めてコアレンジを切り下げるには米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測を織り込んでいくことが必要不可欠だが、1,175~1,225ドルをコアとしたボックス下限が試される状況に。同水準を下抜けば、年初来安値1,141.60ドルがターゲットに。