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高須院長がTwitter投稿でGW中に空き巣に入られ3千万円相当の被害にあった理由

高橋暁子成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト
空き巣犯はSNSの投稿でターゲットをリサーチしている(写真:アフロ)

高須クリニックの高須克弥院長宅に空き巣が入り、「ヘソクリが全部とられた」という。「警察の話しでは5月4日深夜の2時に三人組の男がバールで玄関の鍵を壊して侵入したらしい」と、高須院長自ら、8日のTwitterでドアの一部が壊された写真とともに公開し、詳細を明らかにしている。

なぜ高須院長は空き巣被害にあってしまったのか。危険なTwitter投稿について解説したい。

留守の期間がTwitterにより明確だった

高須院長は、Twitterを非常にこまめに投稿することで知られている。

たとえばGWにも、5月3日には「明後日から台北の神社に台湾加油しに行きます。」と投稿。5日から日本にいないことを明らかにしている。

続いて4日には、「ポタポタなう」と病院でがん治療で点滴を受けていることを明らかにしている。インタビューなどで院長は、ほとんどの治療を自分の病院で行っていると語っていたことがある。

空き巣が入ったのは4日の午前2時。つまり、その時間に帰宅していなければ、翌日から台北に行くためしばらく帰宅しないことが明らか。犯行グループにとって、犯行がしばらく明るみに出ないと思われていたわけだ(実際は警備会社の通報により4日のうちにわかったようだが)。

そもそも最長10日間のGWは留守の家も多いため、空き巣にとって狙い目のときであり、お金持ちの留守宅を狙っていたのだろう。高須院長といえば、お金持ちであることを公言しており、空き巣に入れば金目のものが奪えることがわかっていた。

その後も院長は、5日には「台北なう」、6日には「台湾の朝なう」と写真付きで投稿している。

自宅がわかる投稿をしてしまっていた

実は院長は、過去にTwitterで「帰宅なう」と自宅の位置情報と玄関の扉の写真が写った投稿を公開していた。院長のアカウントのフォロワーは執筆時点で46万人以上であり、事実上不特定多数が見る場となっていたため、そもそもかなりリスキーな状態だった。

空き巣犯にとって、自宅のあるおおまかな場所がわかっており、外観もある程度わかっているのだから、特定は容易だったはずだ。また、おそらく豪邸なので間違えようがなかった可能性も高い。

長期休暇中はSNSなどでお金持ちを見繕い、留守の期間を特定して、空き巣に入る犯行が増えることが知られている。

留守ということがわかる旅行などの投稿はリアルタイムにはせず、帰宅してからなど時差を付けて投稿するのがおすすめだ。少なくとも、確実に留守にする時などは明らかにすべきではなかっただろう。

自宅の場所が特定できるような投稿には注意が必要だ。空き巣被害の他、ストーカー被害なども起きている。位置情報や外観の写真、自宅周辺の情報などを、不特定多数のユーザーが見る場に公開することがないよう、気をつけて利用していただきたい。

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト

ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。テレビ・ラジオ・雑誌等での解説等も行っている。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)、『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(日本実業出版社)等著作多数。教育出版令和3年度中学校国語の教科書にコラム掲載中。

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