トレーサー9GTのシート高をあてにすると低身長ライダーはビビり倒します
ヤマハは一台の車両をベースにしてバリエーション展開しており、ストリートファイターのMT-09、ネオクラシックのXSR900、アドベンチャーのMT-09トレーサーとエンジンやフレームを共通としつつ、ジャンルの違う車両に仕上げています。
今回はMT-09トレーサーのシート高に触れたいのですが、少しずつ名前が変わっているのも特徴で、MT-09トレーサー、トレーサー900、トレーサー9とモデルチェンジ毎に微妙に名前が変更されています。
デビュー当時シート高は845mm、車両重量は210kg。モデルチェンジして車両名がトレーサー900になるとシート高は850mm、車両重量は214kg。更にモデルチェンジしてトレーサー9になるとシート高の調整ができるようになり、ローポジションで810mm、ハイポジションで825mm、車両重量は220kgとなりました。
ベースモデルのMT-09はトータルに軽量化されており、前モデルと比べても装備が豪華になりつつ車両重量が減っているのですが、トレーサー9はなぜか重量増。でもいいんです。低身長ライダーとしてはシート高がググっと下がっているのは大変ありがたい。
バイク業界のライターは、元レーサー、ライディングスクールの先生などが多いです。そういった人はいいのです。ですが元バイクパーツメーカー勤務、41歳のおじさん。低身長、短足というスペックの筆者にとっては足つきの良さは大事なのです。
前置きが長くなりましたが、今回の試乗は安心していける・・・そう思っていたのです。跨ってみるまでは。
実際に跨ってみるとサスペンションが想像以上に硬くて、シートに座っても沈まないうえに、シートが広くて足つきが数値以上に悪く感じます。ベースモデルのMT-09はシート高825mm。15mmも高いことになるのですが、体感的にはMT-09の方が足つきがよく感じます。
僕のように低身長ライダーはカタログスペック中でもシート高の数字をめちゃくちゃ気にしているはず。今回トレーサー9のシート高がググっと落ちたことで、購入候補に入った人もいるはずです。
残念ながらトレーサー900の方が足つきがよかったかもしれません。現行モデルはトレーサー9とトレーサー9GTが設定されています。ですがコロナの影響などで豪華装備のGTのみが販売されている状況です。※日本人は価格が高くても豪華な装備を採用しているモデルを買うため。
傾向的には豪華装備の方が足回りが硬くスポーティーにセッティングされていることが多いので、トレーサー9はもう少し足つきが良いかもしれません。数値だけ見て購入を検討していた方はGTではなく、トレーサー9の発売を待って、跨ってみた方が良いかもしれません。
動画では足つきだけでなく、市街地や高速道路の走行、さらにはMT-09との違いなどにも触れています。