皆既月食の直後から大雨が始まるおそれ
皆既月食中に忍び寄る活発な雨雲
あさって26日(水)夜、全国各地で皆既月食が見られます。
皆既月食とは、太陽、地球、月が一直線上に並んだ時、月が地球の影に完全に隠れて、赤銅色の満月が見られる現象で、全国的に皆既月食が見られるのは、2018年1月31日以来(タイトル画像)、約3年ぶりのこととなります。
また今回の満月は、今年12回ある満月のうち、地球に最も近い満月でもあり、いわゆるスーパームーン皆既月食でもあります。
*皆既月食の説明は国立天文台HPに詳細が掲載されています。
月の出の時間は各地でやや異なりますが、月食の起こる時間帯は、北海道から沖縄まで、全国一律で、以下の通りとなります。
●月食の始まり 18時45分
●皆既月食の始まり 20時09分
●満月の瞬間 20時14分
●皆既月食の終わり 20時28分
●月食の終わり 21時53分
皆既月食の見られる時間帯の最新の雲や雨の予想は上図の通りです。
北日本や東日本は晴天エリアで、まさに皆既月食日和と言えるでしょう。
沖縄方面も雨雲が北上するため、雲が少なくなる予想に変わってきました。
一方、西日本は北上を始める梅雨前線の雲域が広がってくる予想で、九州は曇雨天傾向となり、その他も九州に近いエリアほど雲に邪魔されてしまう可能性があります。
そして注目は九州の西海上にある大きな活発な雨雲で、皆既月食中に、九州へ向けてじわじわと忍び寄ってくる予想です。
皆既月食の直後から大雨が始まるおそれ
皆既月食が終わった直後の27日(木)に日付が変わる頃には、活発な雨雲が九州北部へ到達し、局地的に激しい雨が降り出すものと思われます。
その後はさらに雨雲が東に広がるでしょう。
27日(木)は西日本から東日本で大雨のおそれ
27日(木)朝には西日本の広い範囲で本降りの雨となり、九州北部や中国地方を中心に、雷を伴って激しく降る所があるでしょう。
このあと雨雲は東進するため、西日本は主に27日(木)の午前中、東海や関東など東日本は27日(木)の午後を中心に、大雨となるおそれがあります。
梅雨最盛期を思わせる暖湿気がなめるように通過
上図は気温と水蒸気を併せ持ったような指標で、数値が大きければ大きいほど水蒸気をたっぷりと含んだ大雨を降らせやすい暖かな空気と言えます。
なかでも345K以上の暖湿気は梅雨の最盛期によく流入し、大雨(豪雨)をもたらすことも多々ある危険度の高い暖湿気です。
この345K以上の暖湿気が27日(木)朝から夜にかけて、九州から関東の太平洋側をなめるように通過する見込みで、南風のぶつかる太平洋側の山沿いを中心に、局地的には1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降り、気象条件によっては1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降る可能性もあります。
計算上、木曜日の総雨量は太平洋側の多い所で、200ミリ以上となっており、もし活発な線状の雨雲が発生するような場合、これが数時間で降ってしまうようなことも考えられます。
今年は東海以西の梅雨入りが記録的に早く、早々の大雨により、東海から九州の山沿いではこの10日間の総雨量が局地的に400ミリから600ミリ以上に達しており、平年の4倍から8倍以上(熊本県)に達している所もあるほどです。
27日(木)は5月として再び記録的な大雨となるおそれがありますので、今後、気象台から出される大雨情報などに十分ご注意下さい。
参考:国立天文台、気象庁