NY金23日:米指標の悪化を受けて反発、利上げ観測が後退
COMEX金6月限 前日比7.40ドル高
始値 1,186.90ドル
高値 1,194.60ドル
安値 1,183.60ドル
終値 1,194.30ドル
米指標が低調だったことが早期利上げ観測の後退を招き、金相場は反発した。
アジア・欧州タイムは1,186~1,190ドル水準で揉み合う展開になったが、ニューヨークタイム入り後に買いが膨らみ、一気にプラスサイドに切り返している。1,200ドルの節目を回復するまでの勢いはみられなかったが、良好な米中古住宅販売高を手掛かりに売り込まれた前日とは逆パターンの相場展開になっている。
本日は4月新築住宅販売高、4月製造業PMI、3月新築住宅販売高が発表されたが、いずれも市場予測を下回っている。特に、新築住宅販売高は前月比で11.4%もの落ち込みを記録しており、前日に発表された中古住宅販売高が+6.1%と好調だった影響もあって、マーケットが受けたショックは大きかった。少なくとも、本日発表された三つの米経済統計は、いずれも利上げを積極的に評価している内容とは言えない。この結果、金融市場では米長期金利低下プレッシャーが強まる一方、為替相場はドル安方向に振れており、それがドル建て金相場の上昇を決定付けた。
来週は4月28~29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控えているが、金相場の方向性は定まっていない。ベージュブックの内容からは利上げ先送り観測につながるような内容は想定しづらいが、6月利上げをイメージさせるような動きも想定しづらく、決め手になりづらい。この結果、日々の経済指標や要人発言を手掛かりとせざるを得ず、緩やかなペースでの織り込みの動きが、金価格を緩やかなペースで押し下げる見通し。
引き続きギリシャ情勢が突発的な買い材料となるリスクが残されているが、ドイツとギリシャ首脳会談では、ギリシャ側から「前向きな雰囲気」との報告が行われていることが、ギリシャリスクを織り込む必要性を後退させている。なおギリシャ支援の枠組構築には大きなハードルが残されているが、ギリシャ10年債利回りは2営業日連続で低下しており、特に金相場にリスクプレミアムを加算していく必要性は高まっていない。