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欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行も現状維持、両者ともに利下げには慎重姿勢

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 欧州中央銀行(ECB)は14日の政策理事会で、政策金利を2会合連続で据え置くと決めた。ECBは主要政策金利を4.5%、銀行が中銀に預ける際の中銀預金金利を4.0%で据え置く。

 ECBのラガルド総裁は記者会見で、利下げについては全く議論しなかったと述べた。当局者は油断すべきでないと戒め、利下げが近いとの投資家の期待は時期尚早かもしれないと示唆した。このあたりのスタンスは来年の利下げの可能性に踏み込んだFRBとは異なるものとなった。

 新型コロナウイルス流行中のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)で買い入れた債券の満期償還金の再投資について、完全な再投資は2024年6月末までとなり、2024年末にかけて月75億ユーロずつ削減するとした。

 英国のイングランド銀行(中央銀行)は14日の金融政策委員会(MPC)にて、3会合連続で政策金利を5.25%に維持することを決定した。

 会合では9人の委員のうち、6人が金利の据え置きを支持したのに対し、3人がインフレ圧力の根強い兆候があるとして0.25%の引き上げを主張していた。

 イングランド銀行のベイリー総裁は、まだ向かうべき道があり、インフレを2%に戻すために必要な決定をし続けるとのコメントをし、拙速な利下げには慎重な姿勢を強調した。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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