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就活相談7:OB訪問をしたくても対象者がいません……

石渡嶺司大学ジャーナリスト

OB訪問って、そもそも何ですか?

質問:OB訪問・社会人訪問ってそもそも何?

回答:OB訪問とは、志望企業に在籍する大学の卒業生(先輩)に会って、企業のことなど話を聞くことです。

大学の卒業生とは、ゼミ、サークルなどが多いですが、キャリアセンターにOB名簿が置いてあって、希望する学生が勝手に連絡していく、という手法もあります。企業に直接問い合わせて紹介してもらう、というのもよくあるパターン。

それから、大学や高校の卒業生組織(OB会)がOBと話す機会を作る、ということもあります。

学生によっては、FacebookなどSNSから申し込むこともありますし、親・親戚などのいわゆるコネから紹介してもらう、というケースもあります。

心理的なハードルとしては、以前から知っているOB<ゼミ・サークルの紹介<OB会などのイベントでの紹介<親・親戚のコネ、名簿からの申し込み、SNSからの申し込み、企業に問い合わせ、という順で高くなっていきます。

企業説明会などと違い、OBが実際の業務内容や企業の雰囲気などを話してくれるので、生の情報が入ります。そのため、就活・採用の専門家の間では、絶対にやった方がいい、という方がほとんど。私も同感です。

なお、男性社員への訪問・面談を「OB訪問」、女性社員への訪問・面談を「OG訪問」と分け、あるいは、「OB・OG訪問」と呼称することもありますが、ここでは「OB訪問」で統一します。

アイデムによれば、2015年卒対象調査を2014年3月末に実施したところ、全体ではOB訪問に行った学生は19.7%と少数派でした。しかし、「内々定あり」では29.1%、「内々定なし」は17.2%と10ポイント以上の差が出ています。

これはOB訪問が学生にとって就活でいい影響が出ていることを示しています。

データをもう1本。2014年卒マイナビ就職モニター調査によれば、3年生2月の時点で約3割がOB訪問を実施。2013年卒は約2割だったので増えています。人数は「2~3人」35.9%、「1人」27.5%、「4~5人」16.1%、「10人以上」11.2%など。平均すれば4.2人となっています。

まあ、1人だと限定されてしまいますが、2人から4人くらい話を聞けば参考になるのではないでしょうか。もちろん、時間に余裕があればそれ以上でも構いません。

一方、志望企業はもちろんのこと、志望業界にまで広げても、卒業生がいない、ということも十分あり得ます。

そこで、就活・採用の専門家によっては、大学卒業生(OB)かどうかにこだわらず、社会人の話を聞くために訪問すること、つまり、社会人訪問を薦めています。

社会人訪問のメリットは、なんといっても対象者が多い、という点にあります。

私も、OB訪問で該当者がいなければ社会人訪問に切り替えて話を聞くと就活の参考になると考えてお薦めしています。

OBを企業が紹介してくれない。どうすればいい?

質問:OB訪問をしようと思ったのですが、志望企業に問い合わせたところ「OBのご紹介はしていません」と断わられました。他にあてもないですし、それなら無理にしなくてもいいでしょうか?

回答:まず、企業に直接問い合わせたのは、ナイストライ。その行動力はいい方向に転がるので大事にしてください。

採用サイトなどでOB紹介を断る記載があればあきらめるしかありませんが、なければダメ元で電話をしてみましょう。

ただ、この場合、大学OBにこだわらず、社会人訪問に切り替えた方がいいです。

たとえば、あなたが文学部で総合職を目指す女子学生としましょう。あなたの大学OBもいるのですが、体育会系出身の男性社員しかいません。

一方、他大学出身者であれば、文学部出身の総合職としてバリバリ働いている女性社員がいます。どちらが参考になるか、言うまでもなく、後者のはず。

電話ないし、会社説明会のあとにでも依頼するときは、自分がどんな学生が簡単に話して、似たタイプを紹介してもらいましょう。

そこまでやっていないなら、まずそこまでやりましょう。で、ダメなら次。

OB訪問ないし、社会人訪問はちょっと頑張ってやってほしいところ。特に、志望業界で志望順位が高い企業なら、そこは頑張って探しましょう。

もちろん、地方大学などでは物理的に無理、ということもあるはず。その場合は、検索項目数を落として探すことをお薦めします。

どういうことか、と言えば、全部該当する卒業生を探そうとするから無理があるのです。

あなたが「総合商社の総合職志望、文学部出身の女子学生」だと、最初にOB訪問の対象となるのは「総合商社、総合職、女性、同じ大学出身」と検索項目は4つあります。

で、ダメなら、どれを落としてどれを優先するか。あるいは、置き換えていく、というのも有効です。

パターン1 専門商社、女性、総合職

パターン2 メーカー、女性、総合職

パターン3 メーカー、男性、総合職

以下、いくらでもあるのでこの辺にしますが、これだけ検索項目数を落とすか変えて対象を広げていけば、誰かは該当するはずです。

大学教員に聞いてもいい?

質問:OB訪問の対象者探しで質問です。大学の講義を受けているだけの教員などにも聞いてみてもいいのでしょうか?

回答:もちろん、ありです。仮に講義を受けていなくても、志望業界・企業と関連のありそうな講義をしている先生にダメ元で聞いてみるとか、何だったら学長に話を振ってもいいと思いますよ。必要であればそれくらいはやりましょう。

大学の講義と言えば、近年は金融機関や総合商社などが大学で講義を展開する寄附講座が増えています。

講義を担当するのは、毎回違いますが、寄附をした企業の社員や関係者ばかりです。

自分の大学か、近くの大学で寄附講座をやっていないか、調べて、志望企業・業界なら、講義終了後に、質問してそのついでに社会人訪問が可能かどうか、聞いてみる、という手もあります。

※『300円就活 面接編』(角川書店 電子書籍)より引用

大学ジャーナリスト

1975年札幌生まれ。北嶺高校、東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。扱うテーマは大学を含む教育、ならびに就職・キャリアなど。 大学・就活などで何かあればメディア出演が急増しやすい。 就活・高校生進路などで大学・短大や高校での講演も多い。 ボランティアベースで就活生のエントリーシート添削も実施中。 主な著書に『改訂版 大学の学部図鑑』(ソフトバンククリエイティブ/累計7万部)など累計33冊・66万部。 2024年7月に『夢も金もない高校生が知ると得する進路ガイド』を刊行予定。

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