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この夏猛暑で、電気代がピンチ?

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
電気の使用量は夏が一番多い(写真:イメージマート)

 この夏は猛暑となる可能性が高い。電気料金はこの一年で約25%も値上がりし、夏は一年で最も電気を使う。家計への負担が一段と重くなるのは必至だ。

昨年より10日早い初真夏日 

 4月は暖かい空気に覆われ、全国的に気温が高くなりました。11日には岩手県宮古市などで日最高気温が30度を超え、昨年より10日早く全国初の真夏日となりました。東京はまだ真夏日はありませんが、夏日(日最高気温が25度以上の日)は7日となり、4月としては2018年の9日に次いで多くなりました。季節を先取りするような暑さは記録にも表れています。

ポストラニーニャ、猛暑のおそれ

 冬の天候に影響したラニーニャ現象はまもなく終息しますが、しばらくの間は影響が残ります。この夏は太平洋高気圧(夏の高気圧)の張り出しが強く、全国的に暑さが厳しくなる見通しです。

【2022年夏の平均気温の予想(6月~8月)】気象庁・暖候期予報(ウェザーマップ作画)
【2022年夏の平均気温の予想(6月~8月)】気象庁・暖候期予報(ウェザーマップ作画)

【850hPa流線関数】上空1,500メートル付近の風の流れを予測した図(ウェザーマップ作画、筆者加工)太平洋で高気圧性循環偏差が明瞭に予想され、太平洋高気圧は北への張り出しが強い
【850hPa流線関数】上空1,500メートル付近の風の流れを予測した図(ウェザーマップ作画、筆者加工)太平洋で高気圧性循環偏差が明瞭に予想され、太平洋高気圧は北への張り出しが強い

 今年と同じように、ラニーニャ終息後の夏となった2018年は猛烈な暑さに見舞われました。7月23日には埼玉県熊谷市で日本歴代最高となる41.1度を記録したほか、大都市圏では初めて名古屋市でも40度を超えました。

 今年は今のところ、梅雨明けは例年通り、東京の場合は7月19日頃とみられていますが、季節の進みをみると、早まる可能性は大いにあると思っています。

夏は一年で最も電気を使う

 このところの電気料金の値上がりには驚くばかりです。日々、電気の使い方には気をつけているつもりですが、この一年で25%も高くなっては努力も水の泡です。

 電気の使用量を一年でみると、東京の場合、冷暖房の必要がなく、日が長い5月が最も少なく、昼夜冷房を必要とする8月と9月が最も多くなります。

東京都における電力需要実績をグラフにしたもの(経済産業省資源エネルギー庁 電力調査統計表より)筆者作成
東京都における電力需要実績をグラフにしたもの(経済産業省資源エネルギー庁 電力調査統計表より)筆者作成

 ウクライナ情勢の長期化、20年ぶりの円安と、今後も電気料金の値上げが続くでしょう。暑さを我慢するわけにもいかず、家計への負担がますます重くなることは避けられないと思います。

【参考資料】

東京電力エナジーパートナー株式会社:2022年6月分電気料金の燃料費調整について、2022年4月27日

気象庁:暖候期予報(2022年6月~8月)、2022年2月25日発表

経済産業省資源エネルギー庁:電力調査統計表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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