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ゼレンスキー大統領「ロシア軍のイラン製軍事ドローン"シャハド"は既に1961機。多くを撃破」

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

2023年8月にウクライナのゼレンスキー大統領は自身の公式SNSで、ロシア軍が使用しているイラン製軍事ドローン「シャハド」が既に少なくとも1961機使用されたことをショート動画でのコメントで明らかにした。

ゼレンスキー大統領によると、ウクライナ軍では1961機のうち、かなりの数を撃破している。ゼレンスキー大統領はさらに「残念ながら1961機全てを破壊できているわけではなりません。できる限り破壊できるように努めていますが、さらなる防空システムが必要です。世界中にいるウクライナの大使の皆さん全員でウクライナの勝利に向けて、ウクライナ市民の生命を守るために働かないといけません。美しい我がウクライナと市民の生命を守りましょう!」と呼びかけていた。

ロシア軍は2022年10月からイラン政府が提供した標的に向かって突っ込んでいき爆発する、いわゆる神風ドローンの「シャハド136(Shahed136)」、「シャハド131(Shahed131)」で首都キーウや主要都市を攻撃して、国際人道法(武力紛争法)の軍事目標主義を無視して軍事施設ではない民間の建物に攻撃を行っている。

2023年8月になってもイランの神風ドローン「シャハド」による奇襲は続いており、ウクライナ軍も迎撃して破壊している。そのためイランの軍事ドローン「シャハド」の破片や残骸の写真がSNSなどで公開されることも多い。また最近ではロシアで「シャハド」を製造していると報じられている。

ウクライナ軍では「移動式ドローン迎撃車」を作り、機関銃や地対空ミサイルで「シャハド」を迎撃して破壊している。ミサイルやドローンを探知すると警報(サイレン)が鳴り、その場にドローン迎撃車が向かって行き迎撃して破壊している。「移動式ドローン迎撃車」の後部に設置された地対空ミサイルやライフル銃で迎撃している。また車に乗らなくとも兵士らが地上から機関銃や小銃などを発砲して「シャハド」を迎撃して破壊している。

ウクライナ軍では2022年2月24日にロシア軍に侵攻されてから殺害したロシア軍の兵士の数、破壊した戦車、戦闘機など兵器の数をほぼ毎日公表している。ウクライナ軍は2023年8月2日までに4042機のドローンを撃破している。この数字には「シャハド」以外の攻撃ドローンや監視ドローンも含まれている。

▼ゼレンスキー大統領の公式SNS

▼イラン製軍事ドローン「シャハド136」

▼ウクライナ軍の公式SNSで伝えるロシア軍の破壊状況

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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