任天堂が『パルワールド』を特許権侵害で提訴した背景にはハイテク大手の動きあり #専門家のまとめ
任天堂と株式会社ポケモンが、ポケットペアが開発・運営する「パルワールド」が東京地裁に提訴しました。不思議な生物「パル」のデザインがポケモンを彷彿させることから何らかの行動を起こすとは予想されていたものの、著作権ではなく「複数の特許権」を侵害しているとの訴えです。
ここに至るまでに『パルワールド』はいかなる道をたどったのか、任天堂が訴訟に踏み切った背景には何があったのか。ハイテク大手も巻き込む一大旋風となっていたことを、時系列に沿って振り返ってみます。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
『パルワールド』のキャラクターはポケモンを強く連想させるものの、著作権侵害には「依拠性」(元の著作物に基づいて作ったこと)と「類似性」(どれだけ似ているかという度合い)が必要となります。
このうち類似性=「本質的な特徴」を真似てると証明するのは難しいのでは?との議論が早くからありました。その意味で、任天堂が特許権侵害で訴えたことは別に意外ではありません。
根拠となる「特許」は、おそらく最近出願された7493117号ほか複数の特許だと推測されています。ザックリ言えば、「ボールをモンスターに投げて捕獲判定をする」というもの。要はポケモンぽいゲームであれば、あらかた抵触しそうです。
そんな数あるポケモンぽいゲームのなかで、なぜ任天堂は『パルワールド』だけに行動を起こしたのか。それはマイクロソフトも強力にバックアップ、中国大手のテンセントも後に続こうとした上に、ソニーグループも「IP」事業に発展させようとした。ここでブレーキを掛けようとするのは、むしろ当然のことと言えるでしょう。