台風7号は「強い」勢力で関東・東北に接近か…台風が"渋滞"するお盆、今やるべきことは:気象予報士解説
13日朝に発生した台風7号は、海面水温が30度もある温かい海の上を進むことで発達し、今後は「強い」勢力に発達して関東・東北に接近するおそれが出てきました。
すでに東海道新幹線で16日(金)~17日(土)の運休の可能性が発表され、天気図には台風や元・台風が計4個も共存して台風が"渋滞"気味になっている今年のお盆休み、今後の見通しと今のうちにやっておくべきことをまとめます。
「強い」勢力とは?もっとも影響が出るのはいつ?
風の説明でよく聞く「強い」勢力とは、中心付近の最大風速が33m/s以上ということ。
33m/sは時速に直すと100km/hを超えていて、看板が落下したり走行中のトラックが横転するレベルの風です。
そのくらいの風が吹くほどにまで発達しているということは、当然ながら雨もたくさん降らせやすいということになります。
今回、冒頭の天気図にある台風のうち、8号はさほど発達もせず本州付近にも近づかない見込みですが、台風7号は「強い」勢力で関東~東北に接近または上陸するおそれがあります。
過去に「強い」勢力で関東に接近または上陸した台風としておそらく皆さんの記憶に残っているのは、2019年の台風15号と19号でしょうか。
15号は暴風によって千葉県を中心に長期かつ広範囲の停電を引き起こし、「令和元年房総半島台風」と命名されました。
19号は、全国140か所で川の堤防が決壊し、900件超の土砂災害が起きた「令和元年東日本台風」です。
あのとき被害をテレビで見ただけで経験していない人も、「もし自分が被害に遭ったら」という想定で備えをしておきましょう。(具体的な備えの内容は記事後半に記載しています。)
今のところ、16日(金)から17日(土)にかけて関東~東北でもっとも雨・風の影響が大きくなるおそれがあります。
暖湿気が流入し14日は雷雨の範囲広がる
14日の段階では、台風7号は暴風域を伴って小笠原諸島の西を北上する予想で、小笠原では激しい雨が予想されています。
一方、まだ距離がある本州付近でも、西日本太平洋側~関東にかけて暖かく湿った空気が流れ込み、前日までと比べて雷雨が発生しやすい範囲が拡大しそうです。
発雷確率は東北~九州の広範囲でやや高くなっていて、特に甲信~東海の内陸でかなり高くなっています。
北日本では台風5号から変わった熱帯低気圧の動きが遅く、北海道の渡島半島~東北北部にかけて雨が長引き、再び災害のおそれが高まる場合があるためキキクルで最新の情報を確認しましょう。
また関東以西では、40度に迫るような酷暑も続きそうです。
今日やること・明日やることは?
災害への備えはもちろん、早めに&日頃からやっておくのが理想ですが、最低限、今日14日のうちに済ませておきたいのは、「家の外の備え」と「予定の調整」です。
14日も各地で雷雨が予想されていますが、15日はさらに雨が降りやすくなるため、側溝やベランダの排水溝、庭木の固定など外でやる作業は14日のうちに済ませたいところ。買い物もできるだけ14日のうちに済ませましょう。
また、可能な限り16・17日に外を移動しなくていいよう、14日のうちにスケジュールを調整するのがおすすめです。ハザードマップも合わせてチェックを。
一方で、明日15日には水のくみ置き、スマホやモバイルバッテリーの充電など、家の中の断水・停電対策を完了させましょう。
ちなみに災害時に必要な水はひとり1日3リットルと言われていますが、ペットボトルなどにくみ置いた水道水は、東京水道局によると直射日光を避ければ常温で3日、冷蔵で10日持ちます。
台風対策については昨日の記事でも注意点を解説しています。
台風通過後は再び暑さ厳しく
台風の影響が大きい地域も小さい地域も含め、来週は再び暑さが厳しくなる見通しです。
気象庁は19日(月)~27日(火)にかけて、全国的にかなりの高温になるということで「早期天候情報」を発表しています。
地震や台風への対策で疲れが出る人も多いこの夏、いつも以上に自分の体に気を遣って過ごしてください。
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