Yahoo!ニュース

【足立区】今のところ売り上げゼロ。4年かけて作った「超ほしいも」一体なぜ?生産者に話を聞いてきた

Naoko竹の塚情報局「たけトピ」運営(東京都足立区)

「素敵な商品の販売を開始したのでぜひ見に来てください」とご連絡をいただき、数日後お店に足を踏み入れると、無人ホルモン直売所足立西新井店オーナーの髙井さんが肩を落としていました。
「これ、全く売れないんですよね…」とポツリ。

お店に並んでいるのは、4年の歳月をかけて30代女性の農業初心者が作り上げたという「超ほしいも」。しかしその期待とは裏腹に、売れ行きはゼロ。

全く売れていないという「超ほしいも」1,000円(税込)
全く売れていないという「超ほしいも」1,000円(税込)

「この商品、ただのほしいもじゃないんです。彼女は苦労して、ゼロから農業を始め、試行錯誤の末にやっと作り上げた一品なんですよ。ちょっと、話を聞いてやってください」と髙井さん。

今回、Zoomを通して超ほしいもの生産者である中野さんとお話をする機会を得た筆者から、その商品に込められた深い想いと、無人ホルモン直売所足立西新井店の新たな挑戦についてお伝えします。

超ほしいもの生産者、中野さん
超ほしいもの生産者、中野さん

中野さんが農業を始めた理由

「実家は印刷業だったんですが、年々仕事が減っていくのを感じていました。これからもずっと続けられる仕事を、と考えたときに農業に興味を持ちました」と語る中野さん。

中野さん(写真中央) / 画像提供:MCP株式会社
中野さん(写真中央) / 画像提供:MCP株式会社

30代の生産者、中野さん。「超ほしいも」を作るまでの道のりを、笑顔で語り始めました。

「農業は全くの初心者だったんです。」

彼女は、農業の知識がゼロから始め、4年もの歳月をかけて土づくりからほしいもの製法まで学び、ついに「超ほしいも」を完成させたのです。

見知らぬ町に飛び込み、家とトラクターを購入

中野さんの畑とトラクター / 画像提供:MCP株式会社
中野さんの畑とトラクター / 画像提供:MCP株式会社

農業の知識が全くない状態からのスタートで、土地の購入や周りの人との関係構築など、ゼロからの挑戦が続きました。まずは本気であることを示すために、家とトラクターを購入したそうです。その熱意が伝わり、周辺農家さん協力を得て農業を続け、最終的には4年かかって「超ほしいも」という商品を作り上げたのです。

超ほしいもと、生産者の中野さん
超ほしいもと、生産者の中野さん

4年かけて育てた土で生まれた「超ほしいも」

この「超ほしいも」は、4年かけて作り上げた土で育てた芋から作られています。その結果、芋本来の甘さが引き出され、無添加オーガニックで、小さな子どもでも安心して食べられる柔らかい食感が特徴です。自然の甘さを活かしたこの商品は、健康志向の人々にも喜ばれるはずです。

4年かけて育てた畑 画像提供:MCP株式会社
4年かけて育てた畑 画像提供:MCP株式会社

「私が作ったものを、多くの人に食べてもらいたいという気持ちで頑張ってきたんですが、やっぱり宣伝や販路の開拓が難しくて…。今は、こうして髙井さんに応援してもらえて本当にありがたいです」と、中野さんは感謝の言葉を口にしました。

なぜ「超ほしいも」が売れないのか?

無人ホルモン直売所足立西新井店「超ほしいも」のポスター
無人ホルモン直売所足立西新井店「超ほしいも」のポスター

高井さんは超ほしいもが売れない理由を「やっぱりこのお店はホルモンがメインですし、ほしいもを買いに来るお客さんは誰もいないです。ほしいもが好きな人がもっと知ってくれれば、きっと売れると思うんですけど」と分析します。

確かに、ちょっと手に取りにくいかも……
確かに、ちょっと手に取りにくいかも……

「もうやめてしまおうかな…」と、肩を落とす高井さん。しかし、そこにはお店のコンセプトに根ざした理由がありました。無人ホルモン直売所は、もともとファミリー層に喜んでもらえるような商品展開を目指して作られたお店です。ホルモンや手軽に食べられる食品がメインで、週末の家族での食事やパーティーにぴったりな商品が揃っています。最近では来店した子供向けに、折り紙が自由に楽しめるコーナーも設置したそうです。

店内にある折り紙コーナー
店内にある折り紙コーナー

実際に食べてみた「超ほしいも」

超ほしいも 1,000円(税込)
超ほしいも 1,000円(税込)

話を伺った後、実際に「超ほしいも」を試食させていただきました。

袋を開け、ほしいもに触れた瞬間、その柔らかさに驚かされます。レンジで温めなくてもそのままで十分柔らかく、芋本来の優しい甘みが口に広がります。

芋本来の自然の甘さが味わえる超ほしいも
芋本来の自然の甘さが味わえる超ほしいも

無農薬・化学肥料不使用で育てた「紅はるか」をしっかり熟成させ、低温減圧乾燥技術で仕上げているので自然の甘みが味わえるとのこと。筆者の娘は、この「超ほしいも」をとても気に入り、残りをあっという間に食べてしまいました。

これからの展開に期待

それでも髙井さんはこのように「人が努力して作り上げた商品」を応援したいと考えていて、「大人のご褒美」をテーマにしたコーナーを展開するなどして、もう少しアピールしてみたい、とお話ししていました。

超ほしいもがある場所
超ほしいもがある場所

「実際に、今のお店の一部の商品を撤去して、そういうコーナーを作っちゃうのもありかもしれないですね」と、すでに行動に移すことを考えているようです。商品ラインアップの見直しや、ファミリー向けのコンセプトに加えて「自分のための特別な商品」を展開することで、「超ほしいも」の魅力がさらに引き出される可能性があります。

足立区で買えるのはここだけ!

超ほしいも、足立区内で買えるのは無人ホルモン直売所足立西新井店だけ!
超ほしいも、足立区内で買えるのは無人ホルモン直売所足立西新井店だけ!

「超ほしいも」は無人ホルモン直売所足立新井店で絶賛販売中です。応援したい気持ちで、ぜひ一度足を運んでみてください。

【関連情報】
超ほしいもが購入できる場所
店舗名:無人ホルモン直売所足立西新井店
住所:東京都足立区西新井4丁目26−29
営業時間:24時間営業、年中無休
無人ホルモン直売所足立西新井店 Instagram
超ほしいもInstagram
※価格、商品は取材時のものです
※この記事の商品は、体験のために無人ホルモン直売所より無料でご提供いただきました。感謝申し上げます。

竹の塚情報局「たけトピ」運営(東京都足立区)

足立区竹の塚在住。一児の母。竹の塚のローカルすぎる地域情報サイト「たけトピ」運営人として地域の役に立つ情報を毎日お届けしています。

Naokoの最近の記事