「米がない」「コメ不足」と騒ぐ裏で大量の米を無駄に捨て続けるのはなぜなのか #専門家のまとめ
「米不足」「米品薄」など市販の米が購入できない事態が相次いだ。SNSには空の商品棚の写真が投稿され、マスメディアは「令和の米騒動」と報じた。理由として2023年の酷暑による白未熟粒やインバウンド需要の増加が挙げられたが、必ずしも断定できないとする専門機関の見解もある。新米が出てくる今の時期だが、価格高騰も報じられている。これだけ品薄にもかかわらず、その裏では捨てられる米があるという。なぜなのか。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
ある大手コンビニでは「先物取引で米をおさえているから(世間が米不足だろうが)まったく問題ない」と社員が話していたとのこと。コンビニ会計により本部は捨てても損をかぶらないから問題ないということだろう。
「米がない」「お金がない」というとき、米や金を増やそうと考えるのが普通だ。だがその前に、今ある米や金を無駄にしていないか振り返り、無駄を無くすことも必要ではないだろうか。
食品業界には「欠品ペナルティ」がある。小売に納める商品は品切れしてはならず、品切れしたら、失われた売り上げ分をメーカーが小売に支払うことがある。欠品したら取引停止と言われることもある。おにぎりや弁当を作る工場では前もって米飯を炊いておかなければならない。
農家や米穀専門店では、収穫した米は玄米で保管する。米の品質を保つためだ。スーパーでは精米して一カ月強経った米は商品棚から撤去される。複数のスーパーに取材したところ、捨てる、従業員に安く売る、寄付する、米納入業者に返品し外食産業にまわすとの回答だった。効率や便利さを求め精米しておくのだろう。日本の労働生産性は1970年以降50年以上、G7で最下位だ。何のための効率化だろう。