シティは欧州制覇への道を歩んでいるか?ハーランドとデ・ブライネの“連携”とグアルディオラの野望。
ビッグイヤーの獲得という大きな目標が、掲げられている。
今季のチャンピオンズリーグで、好発進しているのがマンチェスター・シティだ。 ボルシア・ドルトムント、セビージャ、コペンハーゲンが同組のグループGで、首位通過を決めた。
現地時間7日には、決勝トーナメント一回戦の抽選会が行われた。シティの相手はライプツィヒに決定している。
■欧州制覇への道
シティは2008年に投資会社アブダビ・ユナイテッド・グループ(ADUG)に買収された。シェイク・マンスール・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーンがオーナーに就任。実質上の“国家クラブ”となり、急速に力をつけていった。
2016年夏には、ペップ・グアルディオラ監督の招聘に成功した。以降、プレミアリーグで4度の優勝を果たしており、イングランドで確固たる地位を築いてきた。
しかしながら、チャンピオンズリーグでは苦戦してきた。2020−21シーズンの準優勝が最高成績で、優勝の経験はない。
「私の人生はチャンピオンズリーグの優勝に依存しない。誰もが望んでいるように、私もそのタイトルを欲している。だがそれは決して義務ではない」とはグアルディオラ監督の言葉である。
「私の主な目的は、チームを成長させることだ。より良いフットボールを見せ、選手たちを向上させる。それだけだよ」
■ハーランドの加入
欧州の頂点に拘ってはない。グアルディオラ監督はそのように語っている。
一方、シティはこの夏にボルシア・ドルトムントからアーリング・ハーランドを獲得している。契約解除金6000万ユーロ(約84億円)を支払い、大型ストライカーを確保した。
ハーランドは移籍一年目から推定年俸1500万ユーロ(約21億円)を受け取っているとされる。これはケヴィン・デ・ブライネ(推定1700万ユーロ/約24億円)に優るとも劣らない年俸額である。
だがハーランドは期待に応える活躍を披露している。シティに即座にフィットして、今季ここまで公式戦17試合に出場して23得点を記録している。
先述のデ・ブライネとも、素晴らしいコンビネーションを見せている。
デ・ブライネは今季、18試合ですでに13アシストをマークしており、強力なフィニッシャーがいることで必然的にアシスト数が増えている。「デ・ブライネからのパスのポイントは分かっている。彼も僕が狙っている場所を知っている。GKとDFの間へのパスだ。それはフットボールで、守るのが最も難しいシチュエーションなんだ」とはハーランドの弁だ。
■インザーギの記憶
ハーランドの“フィット感”は凄まじい。他方で、数字だけでは語れない部分がある。
「ビッグデータだけを重視すれば、(フィリッポ・)インザーギは決して1部でプレーしなかっただろう」と語るのはアレッサンドロ・デル・ピエロである。
「インザーギに10本パスを送ったら、コントロールできるのは3本だけだった。しかし、その3本で彼は決定的な仕事をする選手だった」
インザーギとハーランドのプレースタイルは異なる。ただ、共通項を挙げるなら、ハーランドはインザーギと同様にワンタッチゴールが多い。
シティは近年、グアルディオラ監督がゼロトップを施行してきた。その戦術の練度を高め、欧州の頂点を極めようとした。だが、その試みはうまくいかなかった。
そして、ハーランドが加入した。シティはプレミアリーグで2位につけ、チャンピオンズリーグではベスト16進出を決めている。ビッグイヤー獲得は義務ではないーー。そう語りながら、準備は着々と進められている。