片づけてくれない家族がいる人へ。家族間の「片づけスキルと熱量の差」との向き合い方3選
整理収納アドバイザーむらさきすいこです。私は訪問整理収納サポートで多くのご家庭を訪問していますが、片づけが苦手な家族やパートナーに不満を抱えているご家庭がとても多いです。今回は片づけない家族と暮らしている場合の向き合い方を3つお伝えします。
1.自分のテリトリーだけ片づける
ひとくちに「きれい」「スッキリ」と言っても、基準は人それぞれ異なります。家族全員を自分の基準に合わせることは不可能です。ですから、まずは家族を責めずに自分のテリトリーから片づけることをおすすめします。かつては多くの物を所有していて、1年以上かけて住まいを片づけてきた私は、玄関・洗面所・キッチンなど、とにかく黙々と片づけ続けました。すると少しずつ家族にも変化が現れはじめました。リビングルームや洗面所など住まいのパブリックスペースが片付いたおかげで、散らかった自室に居心地の悪さを感じるようになったそうです。リビングルームを片付けて快適になったら、片付けに消極的だった夫が自室の整理を始めた、と報告を下さったお客様もいます。これはあくまでも好事例ですが、まずは自分のテリトリーだけを片づけてみると変化が得られるケースがあります。
2.自分のテリトリーはどこかを考える
かつての私自身がそうでしたが、妻であり母でもあると家の中すべてが自分のテリトリーだと考えてしまいがちです。だから夫のクローゼットや子ども部屋が散らかると、自分のテリトリーを汚された気がしてイライラしてしまう。でも、それらの場所はあくまでも「家族それぞれのテリトリー」なのです。
私の場合、散らかった部屋を見ると気持ちが落ち着かないので、息子の部屋が散らかっている時には、部屋のドアを閉めて視界に入らないようにしています。
「自分のテリトリー」と「家族のテリトリー」の線引きをして、良い意味で諦めるのもひとつの向き合い方です。
3.家族で話し合う
訪問整理収納サポートの現場では、「夫が物を捨ててくれない」「妻が片づけが苦手でストレスが溜まる」という不満を漏らす方が多く見受けられます。同じ人がひとりとしていないように、片付けのスキルや熱量に差があるのは当たり前。さらに話を伺うと、片づけない家族に対して「小言や嫌味、時々カミナリを落とす」といった対処をしているケースもよく耳にします。このような場合、「汚いから片づけて!」と一方的に言うだけでは伝わりにくいもの。「あなたが〇〇を散らかすことで私は〇〇に困っている」といった形で、どう困っているかを具体的に伝えることが大切です。「You(ユー)メッセージ」ではなく、「I(アイ)メッセージ」を使うことで、家族に現状を理解してもらいやすくなります。
家族それぞれの片付かない行動パターンを分析して、全員が納得する「片付く仕組み」を前向きに考えてみることが大切です。
整理収納・片付けは「きれいに暮らす」ためではなく、「笑って暮らす」ためのもの。基本的には家族は変えられません。家族で話し合い、自分のテリトリーを片づけることで状況が進展するケースもありますので、根気強く試してみてください。皆様の暮らしが、片づけでより良くなるよう願っています。