分かりにくい「GO TOキャンペーン」 7月22日開始だが、9月以降の方が得な2つの理由
国土交通省は10日に国内旅行の代金を補助する「Go Toトラベル」事業に関して、7月22日からの旅行を対象にすると発表しました。当初は予約済み分の旅行を補助の対象外とするとしていましたが一転し、7月22日以降の旅行であれば支援対象とするとしました。
内容は、国内旅行を対象に、宿泊・日帰り旅行代金の1/2相当額を支援するというものです。支援額のうち、7割は旅行代金の割引に、3割は旅行先で使える共通地域クーポンとして付与されます。補助額は最大1人あたり1泊2万円(日帰り旅行の場合は1万円)が上限で連泊制限や利用回数の制限はありません。
例えば、1泊4万円の旅行の場合、全体の補助額は2万円で、このうち旅行代金からの割引は1万4000円、6000円がクーポンで支給ということになります。4人家族の場合、1泊で最大8万円、5泊すれば40万円の補助が受けられる場合もあり、助成額は大きいです。
地域共通クーポンは9月以降
ただし、注意点もたくさんあります。当然ながら、旅行代金の一部を自分で負担をする必要があります。地域共通クーポンの発行に関しては9月1日以降の別途お知らせするようで、当初は35%相当の支援(65%は自己負担)となります。1泊4万円なら、2万6000円は自己負担となって支払う必要があるということです。9月1日以降なら地域共通クーポンがこのケースだと6000円発行される予定(50%相当の支援)なので9月以降の方がお得な1つ目の理由となります。
クーポンは旅行先において旅行期間中に限って使用ができるためにクーポンが発行される前に旅行をしても利用ができないことになります。クーポンでは購入できないものもあります。また、助成が出ることもあって、定価が高くなっているという可能性もあるので要注意です。旅行代金の価格は季節やキャンペーンなどでも大きく変動をするからです。普段から底値チェックをしている人を除いては定価も分かりにくいです。混み合う夏季は一般に高めです。2番目の理由として、繁忙期の夏季に利用し、助成額も少ないと金額の負担が大きくなる可能性があるのです。
7月22日以降の旅行をすでに予約している人に対しては、旅行後にオンラインまたは郵送による申請で割引分を還付する流れです。7月27日以降は、旅行業者、旅行予約サイト、宿の直販予約システムなど準備が整った事業者から割引価格での旅行の販売を実施するようです。
割引対象となる旅行商品は旅行代理店や予約サイト経由で行う場合と、宿泊施設に直接行う場合とで割引になる対象が異なります。代理店や予約サイト経由だと宿泊と交通機関のセットプランも対象となりますが、宿泊施設に直接の場合は原則として宿泊代金のみの割引になります。
また、手順に沿って申請をする必要もあるので、申請書、領収書(原本)、宿泊証明書、個人情報同意書など必要書類を準備する必要もあります。詳細は国土交通省のホームページよりご確認ください。
FPということもあって、お金の面からも今の時期に急いで制度を利用する必要はあるのかという理由を2つお伝えさせていただきました。
また、感染拡大時に人が移動してもよいのかという議論にもなっています。旅行をする時期やお住いの地域によっては、配慮も必要でしょう。住んでいる都道府県を超えずに、近場のホテルに車や徒歩などで行き、ルームサービスを利用するという使い方もあるのかもしれません。
私が住んでいるシンガポールでは、例年行われている6月から7月にかけてのグレートシンガポールセールの告知も人が集まってしまうということで控えられています。まだ、バーやナイトクラブは閉められたままです。ようやく近場のホテルでのステイケーションは許され始めましたが、安全対策を万全にし(事細かい指示があり)、食事はルームサービスなどが推奨されているようです。ホテルのラウンジなども人影はほとんど見られません。外出時のマスク着用義務やコンタクトトレースや検温などもあり、外出を控える人もまだ多いです。
助成はあるものの、当初は65%の自己負担です。不安な気持ちを抱えながらの旅行をするのであれば、落ち着いてから安い時期を見計らうのも悪くないのかもしれません。9月以降クーポンが出て、半額補助になってから状況に合わせて考えるのも一つでしょう。