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【自覚しにくいプチうつ病】たまにある気の落ち込みは心の病かも?

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。私は普段、精神科での外来を行い、インスタやボイシーにてHSP気質に関する発信を行なっています。インスタにも遊びにきてね(外部リンク)

突然ですが「プチうつ病」という言葉を聞いたことはありますか?

私も正直に言うとプチうつ病という言葉は聞いたことがなかったのですが、ネットでこの言葉をたまたま見かけましたので、今日はプチうつ病をテーマにお話していきたいと思います。

結論としてはプチうつ病は、うつ病と違い精神科での診断名ではありません。つまり病気ではないのですが、だからといって辛い状態ではないんです。

いつもは普通に過ごせているのに一時的に気持ちが落ち込むなど、あなたにもそういったことが起きていませんか?

プチうつ病も気持ちの変動がつねに見られる病気ではないので、自覚しにくいところが困った点と言えます。

たまに元気がなくなるだけと思っていても、実は心の病である可能性があるので注意するようにしましょう。

プチうつ病についてを知ろう

頭に「プチ」がつくものとつかないものでは、症状としてどこが違うのかについて要点を解説していきます。

普通のうつ病よりもプチの方が深刻度が下がるように思えますが、精神的な問題であるのは確かなので病気として認識することが必要です。

一定時間だけ症状が出る

プチがつかないうつ病はつねに気が落ち込むなどの症状が見られるのに対して、プチがつく方は一定時間にだけふいに症状が出るタイプです。

いつも心が不安定なタイプは「定型」症状が断続的なプチは「非定型」と、病気の影響の現れ方で分類されています。

プチうつ病で出る症状は定型タイプと共通していて、気持ちの不安定さ・食欲の増減・無気力・疲れなどになります。

「プチ」は次第に移行する

症状が見られるのが一定時間だけと短いので、プチうつ病は心配しなくても支障がないように思うかもしれません。

プチは定型タイプになる段階の一歩手前とも捉えることができ、自覚できずに放置したままだと次第に症状が定型へと移行していくので油断は禁物です。

症状が見られやすいのは起き抜け・夕方・夜・深夜あたりなので、この時間帯で落ち込みやすい人は心の病である可能性も考えましょう。

プチうつ病の元は心の状態・生活習慣

プチうつ病になってしまう原因が何なのかを考えていきましょう。

心の疲れでなりやすい

日常生活の中で仕事・家庭・プライベートなど、どこかでストレスや不安といった心が疲れる要素があると脳の働きに影響が出ることがあります。

定型タイプのうつ病も精神疲労が脳に影響しているとされているように、プチの場合でも同じ影響が見られるのです。

性格が優等生・優しい・気配り上手なタイプの人は我慢する癖があるため、プチうつ病をはじめとした心の病にかかるリスクが高いので無理はしてはいけませんよ。

生活の乱れも影響がある

精神状態は自律神経など神経系の働きも影響するので、寝不足・偏食・運動不足など生活の乱れがあると神経の動きが鈍化するため心の健康に良くありません。

神経系の構成にも栄養成分が必要になりますが、生活が乱れて栄養成分の接種・生成不足が起こると神経に回る栄養も足らなくなることだってあり得るんです。

動力源が十分でないと動きが悪くなるのは当たり前であり、不健康な生活習慣がプチうつ病を引き起こす確率はかなり高いと言えるでしょう。

生活の見直しはプチうつ病に有効

プチうつ病を治すには心の病に処方される薬に頼る前に、日常生活の見直しを行って変化がないか試してみることがおすすめです。もちろん症状に対し我慢を薦める訳ではありません。

病の原因は心が問題となっている人が多い可能性がありますが、生活の乱れも複合的な原因になっている可能性が否定できません。

症状がプチの状態はまだ自力で改善できるチャンスがあるので、心と体を健やかにできる過ごし方をしてみましょう。

体に良い内容の食事

人体に必須の栄養成分がとれるメニューを元にして、肉・魚・卵・野菜などバランス良くを心がけた体に良い内容の食事をいただくようにします。

私の場合には、タンパク質と食物繊維が特に不足にしがちになるので意識して取るようにしています。ついつい忙しくて、コンビニに寄って好きなものばかり購入していないでしょうか?

私も気持ちはわかりますが、そのような食生活は知らず知らずのうちに栄養バランスが傾いています。

意識して不足した栄養分を摂るようにしてくださいね。

リズムを整える正しい眠り

よく眠ると体内で作られる成分の分泌が活性する他に、体内のリズムが整い精神が安定しやすくなるメリットがあります。

睡眠時間6~7時間を目標に早起き早寝をして、正しい眠りができるように頑張ってみましょう。

布団に入っても眠れなくてスマホなど見てしまいますが、このスマホのブルーライトこそ眠りを妨げる元です。

寝る30分くらい前はスマホの画面を見ることは避け、安眠しやすい状態にするとぐっすり眠れるようになります。

運動でのリフレッシュ

運動は気持ちのリフレッシュになるのでストレスが軽減でき、心の疲労を和らげられる効果があります。

生活の乱れを改善する点では運動することによって、血行が促進され神経系への栄養補給がスムーズになるでしょう。

運動不足は肥満だけではなく血行不良も招くため、栄養がバランス良く全身に送られなくなり神経への栄養も届きにくくなります。

体を動かすことは様々な効果を得ることができるので、1日の中でほんの数分だけでも運動する習慣をつけてみてください。

自分にプチうつ病の可能性がある場合

これまでに解説した内容から自分がプチうつ病である可能性を感じた場合は、第三者の目からあなたの様子を見てもらうのが良いです。

自分の目線のみだと抜け落ちてしまうものがあるかもしれないので、周囲にいる誰かや心の病への認識が深い立場の人の意見をきいてみましょう。

信用できる人に相談してみる

あなたの周りにいる人たちの中で心から信用できる人がいれば、その人に相談してみてください。

相手からのアドバイスをきくことによって、自分の様子が留意するべきものなのか判断しやすくなります。

プロのカウンセリングを受ける

メンタルヘルスの相談を周囲にしにくい人は、心理カウンセラーや精神科医など心の病への理解があるプロにカウンセリングしてもらいましょう。

プロはあなたがうつ病であるか正しく分析することができるので、自分が心の病にかかっているのかの白黒がはっきりつきます。

病であれば改善のためのアドバイスも受けられ、早く治すことにつながるでしょう。

まとめ

プチうつ病は1日の間で一定時間だけ症状が出るものなので、かかっていても自分では気づいていないのかもしれないです。

たまに気分が落ち込むことを「大したものではない」と流さずに、心の病も考えて自分自身を気にかけてあげてください。

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あなたの気持ちが楽になりますように♪

精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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