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【富田林市】精肉も総菜も大人気!富田林駅前に移転オープンしたミートショップ半田は創業63年の老舗店

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

近鉄富田林駅南口から目の前にある道路、本町交差点や本町北交差点の前を歩いていると駅前らしく気になる名店がいくつかあります。

洋菓子店のYamaoさんや、純札幌らーめんの味源さん、それから先日はインド料理ライノさんで食事をしました。

そんな中、新しいお店がオープンしているのを見て気になったので入ってみたのです。

すると、ショーケースに入ったお肉の陳列やその手前にある総菜やコロッケなどの揚げ物の様子を見る限り、どうも昭和の香りがする昔ながらの個人店のような雰囲気でした。

最初は令和の時代にレトロな昭和を意識したお店なのかなと思い、念のために伺ってみると、老舗の精肉店がすぐ近くから移転したのだそうです。

とても気になりましたので、移転オープンしたミートショップ半田さんに日を改めてお時間をいただき、詳しくお話を伺うことになりました。

取材当日はミートショップ半田さんの3代目、今井数貴代表と、前代表夫人で現代表のお母さんのおふたりから話を伺うことができました。

白丸の中にある赤井テントがかつてのミートショップ半田さん
白丸の中にある赤井テントがかつてのミートショップ半田さん

ミートショップ半田さんの移転前はどこにあるかといえば、過去に撮影した画像に写っていました。

この画像は、昨年の10月に味源さんでラーメンを食べたときに撮影したものですが、ちょうどこの路地の奥、白い建物の右隣に小さな赤いテントが見えます。それが当時営業していた半田さんの店舗です。

白丸で囲ったところに現在のミートショップ半田さんが入っています
白丸で囲ったところに現在のミートショップ半田さんが入っています

これは上と同じ日に撮影した画像ですが、味源さんの右側の通りを見ると隣に赤いテントのお店があり、その隣に小さな建物があってシャッターが閉じていますね。実はこの場所に半田さんが入居したのです。

地図で確認しましょう。旧店舗は路地の奥で見えにくい場所にあったので気づかなかったのですが、こうやって表に出てきたので、すぐに見つけてしまったという次第です。

ミートショップ半田さんは現代表の祖父が初代として1960年に創業、今年で創業63年です。

そして路地の店舗に移る前には、すぐ隣にあるスーパー(現:関西スーパー)内にお店がありました。

創業当初を知っている今井代表のお母さんによれば、当時は河南町や千早赤阪村方面の人たち向けにお買い物の送迎バスがあり、その発着地点が富田林駅前。

今は金剛バスが河南町や千早赤阪村方面に路線を持っていますが、運用形態は違えど今も富田林駅前がそういった地域の鉄道最寄駅なのは同じですね。

またミート半田さんの創業当初は、企業団地ができ始めたころ。中央商店街も多くの人が買い物に来て、とても賑わっていました。

ちなみに寺内町はもちろん観光地ではなく、当時の寺内町は駅南側の住宅地という位置づけで、半田さんが創業する1年前まで、杉山家にあの石上露子さんが住んでいました。

お母さんの話によれば、今の関西スーパーの場所にもともとは大和百貨店があり、その後地元の人に富田林デパートと呼ばれていた西友富田林店を経て、ジャンボスクエア富田林と変わっていきました。

しかし、主力テナント変わっても半田さんはそのまま入居されていましたが、現在の関西スーパーに変わる際、スーパーの外への移転を余儀なくされました。

そのような関係で、関西スーパーの路地にお店が集まり小さな商店街に。ここ15年ほどで魚屋さんや花屋さんが閉店するなどして空き店舗が増え、通りが寂しくなっていました。

さらにコロナ禍が影響したこともあり、思い切ってメインストリートに移転したというのが、これまでのいきさつです。

個人店は高齢化による引退という例もある中で、半田さんがあえてメインストリートに出るという勝負をしたのは、後継者である今井代表がいたことも大きかったようです。

今井代表は、小学生のころから店を手伝い始め、15歳くらいから正式に後継者として肉を切る手伝いをしていました。

イメージ写真。海外にある肉をぶら下げている市場です。
イメージ写真。海外にある肉をぶら下げている市場です。

今は法律で禁止されていますが、かつては羽曳野にあった屠畜場(とちくじょう)から牛を一頭丸々手に入れて、それを店で各部位に切り分けて販売していました。

今井代表によれば、肉の選び方は15・6歳のころから先代より教えてもらっていたそうで、特に産地へのこだわらなく、あくまで見た目の肉質で吟味厳選。仕入れの多い産地は北海道と九州なのです。

また肉の好みはかつては霜降り肉が人気だったのですが、いまは脂肪分の少ない赤身のほうが人気が高いとのこと。

さて半田さんは精肉のほかにも、総菜や揚物メニューが魅力的で、最初に見つけたときにはおもわず自家製のコロッケを買って帰りました。

画像は、取材当日の夕方のショーケースです。すでにたくさん売れて、残り少なくなっていましたが、後から追加補充をされているものもありました。

自家製コロッケの定番は、国産牛を使った「半勝コロッケ」90円です。

「半」は半田さんから名付けられたのはわかりますが、「勝は?」と疑問に思いました。

これは創業者である現代表の祖父の名前が「半田勝己(はんだかつみ)さん」だから。略して半勝コロッケとしました。

コロッケ以外にも牛ロースカツなど揚物をいろいろ販売しています。本来豚肉や牛肉の挽肉をベースに作られるメンチカツを、半田さんでは伝統的にミンチカツと呼んでいるとのこと。

ちなみに買う側としてはなかなか気づきませんが、半田さんによればコロッケとカツはパン粉を使い分けているそうで、カツの衣には卵を入れています。また業者が用意しているものは使わず、あくまで半田さん伝統の自家製にこだわっています。

半田さんは創業以来の地元のお客様が多く、そのお客様もお店と共に世代が交代して今では孫の代の方が買いに来られています。

そういうお客様たちは当然移転前の路地のお店にも当たり前のように買いに来ていましたが、移転直後の時はシャッターが閉じたので「ついに閉店してしまったのか」とがっかりされた人が多かったとのこと。

しかしメイン通りに移転したことを知ると、喜んでまた買いに来てくれていたり、しばらく足が遠のいていたお客様もふたたび顔を見せてくれるようになったとか。

わかりやすいメインストリートに移転したことで、従来のお客様とは別に新しいお客様も増えてきているので、これは移転が大成功したといえますね。

また冷蔵ショーケースには総菜類が並んでいます。どれもおいしそうですが、おすすめを聞くと、この日はすでに売り切れていましたが「特選煮こごり」です。

お母さんの話では、牛テールでつくられる煮こごりは、かつて富田林とその周辺地域の正月料理のひとつでした。テールを使って自宅で煮こごり作る人は今では少なくなりましたが、半田さんでは今でも販売しているため、若い人も懐かしがって煮こごりを買ってくれるとのこと。

また煮こごりは、コラーゲンが多く含まれているため、肌に良いことも人気の理由。また料理に必要な部位のテールも販売しているので、お客様に煮こごりの作り方を教えたりもしています。

さてお話をお伺いした後、自家製焼き肉のたれを見つけました。

肉のことを知っている半田さんの作るたれなので、これを使えば焼肉がさらにおいしくなるような気がしました。

ということでミートショップ半田さんをご紹介しました。お話を伺っている間、代表のいとこさんも手伝いに来ていて、コロッケの仕込みをしていました。

半田さんには、選ばれた精肉の良さをはじめ、半勝コロッケや煮こごりに代表される充実した総菜、そしてスーパーなどでは味わうことのできない対面販売とアットホームな雰囲気です。地元で根強い人気があることにも頷けました。

ミートショップ半田(外部リンク)
住所:大阪府富田林市本町21-7
電話番号:0721-23-6418
営業時間:10:00~18:30
定休日:日曜日
アクセス:近鉄富田林駅から徒歩3分
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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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