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【7月上旬の東京】梅雨前線が停滞し、一段と蒸し暑さが増す予想

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
【水蒸気画像】2024年6月30日午前10時、ウェザーマップ作画

 東京では梅雨入りして一週間が過ぎました。まとわりつくような蒸し暑さに、梅雨入りは雨の日が増えるだけではないと実感します。

 今後、7月上旬にかけて、梅雨前線は本州付近に停滞し、日本列島は非常に湿った空気に覆われる見込みです。雨の日はもちろんのこと、晴れた日でも一段と蒸し暑いでしょう。湿気の多さで、疲れてしまいそうです。

【東京】この先10日の天気予報(天気と最高気温)、ウェザーマップ作画
【東京】この先10日の天気予報(天気と最高気温)、ウェザーマップ作画

雨の日でも感じ方が違う訳

 天気予報で使う湿度は「相対湿度」といい、空気中に含まれる水蒸気の量を割合(%)で表したものです。空気中に水蒸気が多くなればなるほど、相対湿度は高くなります。ふつう、湿度といえば、相対湿度をいいます。

 ただ、雨の日でも日によって湿気の感じ方が変わります。もちろん風の有無や個人差もありますが、空気中に含まれる水蒸気の量が違うことも大きいです。

 もうひとつの湿度の表し方として「絶対湿度」があります。どこかで習った覚えがあるかもしれません。絶対湿度は1立方メートルの立方体に含まれる水蒸気の重さ(グラム)で表したものです。

絶対湿度を説明した模式図、筆者作成
絶対湿度を説明した模式図、筆者作成

 上図はわかりやすさを優先したため、極端な例ですが、同じ(相対)湿度100%でも、気温が違うと、空気中に含まれる水蒸気の重さは約3倍も違います。蒸し暑さの感じ方の違いはここにありそうです。

梅雨入り後、絶対湿度が上昇

 こちらは今年6月の絶対湿度を折れ線グラフにしたものです。6月初めは雨が降っても蒸し暑さをあまり感じませんでしたが、今は晴れていても非常に蒸し暑い。この違いが絶対湿度に表れているようです。

【東京】2024年6月1日~29日までの絶対湿度(折れ線グラフ)と降水量(棒グラフ)、筆者作成
【東京】2024年6月1日~29日までの絶対湿度(折れ線グラフ)と降水量(棒グラフ)、筆者作成

【東京の絶対湿度】6月1日~29日は日平均相対湿度と日平均気温で、6月30日は正午の値で求めた。7月1日~10日は予想値、筆者作成
【東京の絶対湿度】6月1日~29日は日平均相対湿度と日平均気温で、6月30日は正午の値で求めた。7月1日~10日は予想値、筆者作成

 この先10日間(7/1~7/10)の絶対湿度を予想してみました。東京ではこの先も絶対湿度がかなり高い見込みです。

 エアコンの室外機のホースから流れ出る水を見ていると、空気中にはたくさんの水分があると驚きます。気温が高すぎるのも困りますが、湿気の多さも身体にこたえるような気がします。

【参考資料】

気象庁ホームページ:天気予報等で用いる用語、湿度に関する用語

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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