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初回1分58秒でKO勝ちしたバンタム級世界ランカー

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Photo: Dave Mandel/SHOWTIME

 16勝(10KO)1敗でWBAバンタム級10位にランクされるサウル・サンチェス(24)と、14勝(8KO)1分けのジァリコ・オクィン(26)の対戦が、SHOWTIMEの若手発掘&育成番組で行われた。

 場所は、オクラホマ州ブロークンアロー。当地でのボクシング興行とは、滅多に聞かない。こうした街で若手のサバイバルマッチが催されるのは、コロナ禍においてプラスであろう。娯楽の少ないローカル地域の住民は喜びを感じ、ボクシングも注目される。

Photo: Dave Mandel/SHOWTIME
Photo: Dave Mandel/SHOWTIME

 開始ゴング早々、サンチェスの重いジャブにオクィンがふらつく。1分26秒、サンチェスの右を浴びた無敗の26歳が腰から崩れる。

 カウント8でファイティングポーズを取り、試合続行する意志を見せたオクィンだったが、ダメージは深刻だった。

Photo: Dave Mandel/SHOWTIME
Photo: Dave Mandel/SHOWTIME

 再開後、サンチェスの右ストレートがクリーンヒット。オクィンは再度腰を落とす。そこにサンチェスが左フック、右、左フック、右ボディフック、左右フックのコンビネーションを放ったところでレフェリーが試合を止めた。

Photo: Dave Mandel/SHOWTIME
Photo: Dave Mandel/SHOWTIME

 快勝の後、勝者は語った。

 「冷静にジャブを突こうと考えていた。俺のフックの破壊力に驚いていたな。体もかなり傷付いていたね。だから早めに仕留めようと思った。

 正直、こんなに早くKOできるなんて予想していなかったよ。相手は無敗だったしさ。いい内容で勝てて、気分がいいよ。階級を上げてより大きな相手と戦うことになるかもね。年内にもう一試合やって、世界タイトルを見据えていきたい」

 SHOWTIMEに認められればビッグマッチに繋がる。世界戦線に躍り出る可能性十分だ。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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