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アルゼンチン人コーチが語る「コパ・アメリカで連覇を目指すアルビセレステ」

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 実兄のピチは、あのディエゴ・マラドーナと共にワールドユース東京大会(1979年)で世界一となった右ウイング。息子は、オーストラリアのノース・ギーロング・ウォリアーズでプレーするエスクデロ競飛王。

 自身は、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロ。

 今日、埼玉県のジュニアユース、トリコロールFCのコーチとして指揮を執る彼に、コパ・アメリカで連覇を目指す祖国について訊ねた。

撮影:筆者
撮影:筆者

 「ワールドカップ・カタール大会で優勝したメンバーをあまり落としていないですね。大ベテランのリオネル・メッシ、長くそのメッシの相棒を務めるディ・マリア、DFのニコラス・オタメンディらが残り、マンチェスター・ユナイテッド所属の19歳FW、アレハンドロ・ガルナチョが入りましたね。この選手は、今後アルゼンチンを背負う逸材ですから、是非、覚えてください。

ガルナチョ
ガルナチョ写真:ロイター/アフロ

 カタールW杯で我がアルゼンチンを優勝に導いたリオネル・スカローニ監督は、メッシにとって、代表チームでも一緒にプレーした兄貴分。スカローニは、カタールでの優勝賞金が、なかなか配られずに可哀想だったんですが、ようやく手にしてモチベーションも上がっています。

 ベテランと若手のバランスが非常によくとれたチームです。間違いなく、優勝候補の筆頭でしょう。

 この6月24日に37歳になったキャプテンのメッシは、流石に全試合フル出場は厳しいかな……。本人も、「どこで休むかは、監督と話し合って臨む」と発言しています。まぁ、若手は世界一の選手から色んなことを学べますから、生きたお手本とこんな大舞台を経験できること自体が貴重ですね。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 僕は一番危険な相手はウルグアイだと見ています。マルセロ・ビエルサ監督はアルゼンチン人です。十二分な対策を練るでしょう。また、リバプール所属の187センチのセンターフォワード、ダルウィン・ヌニェスが素晴らしい。25歳と円熟期に入ってきた感があります。とにかく、彼のゴール嗅覚には目を見張らされますね。

 レアル・マドリードのボランチ、フェデリコ・バルベルデも要注意です。2026年ワールドカップの南米予選で、アルゼンチンはウルグアイに0-2で負けました。あのゲームは、バルベルデにやられたと表現しても過言ではありません。

ダルウィン・ヌニェス
ダルウィン・ヌニェス写真:ロイター/アフロ

 3番目のV候補はコロンビアです。所属クラブの監督と合わなかったりで、なかなか力を発揮できなかったハメス・ロドリゲスがサンパウロで絶好調です。本来の彼に戻ってきました。そして、リバー・プレートのセンターフォワード、ミゲル・ボルハも波に乗っています。この2枚は手強いですよ。

ハメス・ロドリゲス
ハメス・ロドリゲス写真:ロイター/アフロ

 4番目がブラジル。今日のセレソンはロナウジーニョに酷評されていますが、やっぱりブラジルはブラジルですよ」

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 アルゼンチンは初戦のカナダ戦を2-0で勝利した。チリを相手にする第2戦は、日本時間6月26日の午前10時にキックオフだ。2021年のコパ・アメリカを制し、カタールW杯でもチャンピオンとなったアルビセレステに注目したい。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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