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シュートを決め損なうプレイに、本田圭佑の真髄を見た

杉山茂樹スポーツライター

本田圭佑は、PKを自らの力で奪い、決めた。それをイラク戦の決勝ゴールとした。一方、決定的なシーンで、シュートを3度もゴールバーとポストに命中させる、決め損ないも犯した。勝因、苦戦の原因、それぞれに、本田は密接に絡んでいた。

本田ジャパン。本田頼みのサッカーを繰り広げたザックジャパンを、そう言って僕は、何度となく揶揄したが、アギーレに監督が代わっても、その傾向に変化はない。本田は相変わらず、浮沈の鍵を握る選手でいる。

活躍したのか、足を引っ張ったのか。得点機会に限れば、本田は後者だったと言われても仕方がない。3本のうち1本でも決めていれば、日本はもう少し楽に勝てていた。これは事実。だが、このイラク戦は1-0の緊迫感が、さほど漂ってこない試合でもあった。通常の1−0より、余裕のある勝利。そう言ってよかった。

本田は、その余裕にも関わっていた。日本に余裕をもたらした一番の人物。貢献者だと言いたくなる。3度の決め損ないと相殺しても、おつりはくる。責める気持ちより、讃える気持ちの方が上回るのだ。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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