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小池徹平、佐藤隆紀、愛希れいか、桜井玲香、東啓介が60名のオーケストラ+バンドと一夜限りのセッション

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/BS-TBS

小池徹平、佐藤隆紀(LE VELVETS)、愛希れいか、桜井玲香、東啓介×東京フィルハーモニー交響楽団+Sound Inn Sスーパーバンド

毎回一組のアーティストと、日本を代表する編曲家・ミュージシャン達が、生演奏にこだわり、その日限りのアレンジでセッション。そして上質なサウンドを追求し続けている音楽番組『Sound Inn S』(BS-TBS)。シンフォニーとヴォーカリストの組合せで、やはり上質な音楽を響かせ、これまで多くの音楽ファンを魅了して来たコンサート「billboard classics」。この両者のコラボレーションが実現し、開催された『ミュージカルスターズ シンフォニーポップス コンサート』(3月27日/中野サンプラザ)。小池徹平、佐藤隆紀(LE VELVETS)、愛希れいか、桜井玲香、東啓介という今をときめくミュージカルスターが集結し、東京フィルハーモニー交響楽団+Sound Inn Sスーパーバンドと一夜限りのセッションで、素晴らしシンフォニーポップスを聴かせてくれた。

そのコンサートの模様が『Sound Inn S』で3回(4月16日、5月21日、6月28日)に渡りオンエアされる。

4月16日(土)放送回では、まず「タラのテーマ」(『風と共に去りぬ』より)からスタート。アレンジは服部克久。このコンサートでは船山基紀、笹路正徳、斎藤ネコ(音楽監督)、三宅一徳、大嵜慶子、園田涼、深澤絵梨香という豪華アレンジャー陣の競演というのも聴きどころのひとつだ。その中には服部克久、中村八大、宮川泰、前田憲男という『Sound Inn S』とかかわりの深いレジェンド音楽家の名前もクレジットされている。そのスコア(楽譜)を通して、コンサートに参加している。音楽監督の斎藤ネコが「『Sound Inn S」では数年前まで服部先生も、前田先生も指揮をしていて、私も勉強させていただきました。今回はそんな偉大な先人の方々からバトンを受け取ったような気持ちで臨みたいと思います』と語っているように、先人のスコアをそのまま生かし、演奏している楽曲もあり、その一曲が「タラのテーマ」だ。名作『風と共に去りぬ』のメインテーマとしておなじみのこのスタンダードナンバーを服部のアレンジ、東京フィルの演奏で、よりドラマティックに、ロマンティックに聴かせる。

佐藤隆紀「辛い時があってもいつか明るい時が来るんだという思いを込め、届けたい」

佐藤隆紀
佐藤隆紀

佐藤隆紀は「時が来た」(ミュージカル『ジキル&ハイド』より)を笹路正徳のアレンジで披露。ミュージカルの中では、人生最大の決意に直面したジキルの感情の高ぶりを歌い上げる曲で、佐藤は「辛い時があってもいつか明るい時が来るんだという思いを込め、届けたい」と語り、繊細にかつ、力強く、希望を乗せ客席に届けていた。

小池徹平は「揺るがぬ真実」を情熱的に、パワフルに歌い上げる

小池徹平
小池徹平

小池徹平は『デスノートTHE MUSICAL』から「揺るがぬ真実」を園田涼のアレンジで披露した。小池が「パワーを出し切る曲が多いロックミュージカルで、この曲も僕が演じるエルの、内面から沸々と湧き立つ熱いものを表現しています」と語っているように、ギターと強力なリズム隊が弾き出す音に、オーケストラの音が重なる美しいロックナンバーを、パワフルに歌い上げていた。

愛希れいか×桜井玲香の“親友コラボ”

愛希れいか 桜井玲香
愛希れいか 桜井玲香

この日駆け付けたファンも楽しみにしていたコラボは、まさに一夜限りの夢の共演だ。ミュージカル『フラッシュダンス』で共演した、愛希れいかと桜井玲香はプライベートでも親交があるという仲良しで、そんな二人が初共演。二人で何度も相談して決めたという『Journey to The Past』(ミュージカル『アナスタシア』より)を、大嵜慶子のアレンジで披露した。二人の透明感のある伸びやかな声が重なるユニゾン、そしてハーモニーは瑞々しくて美しい。

佐藤隆紀×東啓介「二人の男」の圧巻の表現力に、大きな拍手が沸き起こる

東圭介 佐藤隆紀
東圭介 佐藤隆紀

佐藤と東啓介のコラボも大きな注目を集めた。二人はミュージカル『マタ・ハリ』で佐藤がラドゥー大佐役、東がアルマン役をそれぞれ変則Wキャストで演じている。舞台で一緒になることはなかった二人の共演が、この日のステージで実現。東が「幻のラドゥーとアルマンを観れます!」と語ると客席から大きな拍手が起こり「二人の男」を披露した。曲の途中で、二人が劇中のシーンを再現した瞬間、空気が変わり、ミュージカルの世界に引き込まれる。船山基紀のアレンジが、熱い曲をさらにドラマティックに仕立て、二人の圧巻の歌はさらに熱を帯びる。

このコンサートはミュージカルの名曲の数々の他に、映画の名曲も演奏され、この放送回での最後は、誰もが一度は耳したことがある、映画『スティング』でおなじみの「The Entertainer」を、宮川泰が残したスコアで演奏。大嵜の軽やかなピアノと東京フィルのゴージャスなサウンドに心が躍る。

極上の音と歌に鳴りやまない拍手

会場でこのコンサートを観ていたが、東京フィルハーモニー交響楽団とSound Inn Sスペシャルバンド、総勢60名のミュージシャンが奏でる音は言葉を失うほど素晴らしく、なんとも豪華で贅沢で心と体が喜んでいるのがわかった。そこに素晴らしい歌が乗ると、得も言われぬ感動が心の深くまで広がっていった。それは一曲ごとにステージに贈られる、客席からの拍手の大きさにも表れていた。

『Sound Inn S』(BS-TBS)は、4月16日(土)18時30分からオンエアされ、番組放送終了と同時に「Paravi」で未公開映像と共に独占配信される。

BS-TBS『Sound Inn S』オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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