NY金8日:反発、米雇用統計を受けてやや買いが膨らむ
COMEX金6月限 前日比比6.70ドル高
始値 1,183.70ドル
高値 1,193.00ドル
安値 1,180.50ドル
終値 1,188.90ドル
4月米雇用統計を受けて買いが膨らみ、反発した。
アジアタイムは1,182~1,184ドル水準で揉み合う展開になったが、雇用統計発表を控えた欧州タイムに入ると1,186~1,188ドル水準まで小幅値位置を切り上げ、ニューヨークタイムには更に小幅ながら上値を切り上げる展開になっている。4月米雇用統計に関しては、非農業部門就業者数が前月比+21.3万人と、市場予測+22.5万人を若干下回る水準に留まった。ただ、3月分が速報の+12.9万人から+9.4万人まで下方修正されたこと、平均時給が前年比で前月の+2.3%から+2.2%まで下振れしたことなどが、金市場ではポジティブ材料視されている。
もっとも、6日に発表されていた4月ADP雇用統計で強い数値が出てこないことは織り込み済みだったこともあり、大きな値動きには発展しなかった。金融市場に目を向けても、米長期金利の低下が進む一方で為替はドル高に振れ、株価は良好な経済環境が確認されたとして買われるなど、評価が割れている。全体的にサプライズ感の乏しい内容に留まる中、明確なトレンドを打ち出すことはできなかった。
マーケットでは冬季の景気減速が「一過性」であったのか否かを見極めたいとするムードが強いが、今回の雇用統計は4月よりも5月は改善していたことを示すも、絶対水準としてはやや不満の残る中途半端な数値に留まっている。
このため、今後も各種経済指標を中心に米経済の底固さを打診する展開が維持されよう。目先は13日の4月小売売上高が注目イベントになるが、そこで方向性を打ち出せないと20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(4月28~29日開催分)まで、方向性に乏しい展開が続く可能性が高まる。上昇リスクと下落リスクのバランスを考慮すれば、戻り売り対応が基本になるだろう。ただ、今後も経済指標の結果に一喜一憂する不安定な相場展開が続くことになる。