【京都市右京区】映画の街の商店街で店舗の「のれん」が楽しい! 映画村や撮影所、交通、行政一体で活性化
大映通り商店街や松竹、東映撮影所協力の下、JR西日本や嵐電、東映太秦映画村などが企画した「太秦モニターツアー」に参加した後、2022年1月22日、大映通り商店街を散策しました。商店街の看板や街路灯には映写機のモニュメントや映画と暮らすまち太秦ののぼりが至る所に立てられていました。
面白かったのは各店舗ののれんです。「書林」は本屋さん、雑貨や日用品は「小間物屋」さん。「洗い物」はクリーニング屋さん、介護用品の店で工務店は「指物」になっていました。
美容室は「髪結」、うんこれは分かる。映画の街として活性化していく一環で造られたというコミュニティースペース「キネマキッチン」は「芝居茶屋」です。店内に年代物の映写機や昔の映画の台本などが並び、地元のお母さんたちのおばんざいランチなどが楽しめます。
学習塾は、やっぱり「寺子屋」に。スイーツの店は「御菓子」これはそのまんまか!
自転車屋さんの前に行くと「陸舟奔車」になってます。「りくしゅうほんしゃ」と読みます。これはなんだろうということで聞いてみると、1817年に製作された世界最古の自転車と言われるのはドライジーネ。ペダルが付いた物になるとその後になります。ところが、それらより100年ほど前の江戸時代の半ば、暴れん坊将軍でおなじみ吉宗の時代の1732年(亨保17年)にすでに滋賀県の彦根市、当時の彦根藩士が舟型の自転車を発明していたのだそう。
なんでまたこんな面白いことになってるのかなあ? ということで大映通り商店街振興組合の御館 治理事長(株式会社 たぬき堂)に聞いてみました。「商店街ではコロナ禍の前から夏祭りや妖怪パレードのイベントなども行ってたし、両隣に松竹や東映があり、かつては大映もあった街、商店街として大魔神像の誘致とキネマキッチンも開設してきました。それでもなかなか商店街のメリットが見えないとの問題もあった」と言います。
そんな中、やはりコロナ禍が直撃します。先行きが見えないなか、「定住人口だけでは維持できない、交流人口を増やさないと。太秦地域や商店街のファンを増やそう」と理事長先頭に商店街メンバーが奮闘します。何度も区役所の地域推進課などと掛け合い、松竹、東映、映画村、嵐電やJR、バス、寺社、民間企業などと協議を重ねます。
折しも、電車、バスなどの交通機関の乗車も激減したり、イベントやロケへの影響で映画村や撮影所、寺社にも厳しい影響があるなどの社会背景も後押しして、「映画の街を徹底してアピールする」ことで一致。街ぐるみでのおもてなしへと発展していきます。こののれんは事業の一環で撮影所などから贈られたものだそうです。年末には商店街の時代劇扮装パレードも行われました。
筆者も太秦モニターツアーに参加して、東映撮影所見学、太秦映画村、東映俳優による太秦案内、エンターテイメント電車「ザ・ライドKYOTO」にも乗車しましたが、めちゃめちゃ楽しかったです。その様子は次回に!
大映通り商店街振興組合 京都市右京区太秦堀ヶ内町31 たぬき堂書店内 075-861-0534