ドバイターフに出走するシュネルマイスターについて、陣営が語る
懸念材料はあるのか?
いよいよドバイワールドカップ開催が今晩に迫った。メインのドバイワールドカップ(GⅠ)を含む8つのレースに計22頭を送り込む日本勢。中でも有力な候補と思われるのがドバイターフ(GⅠ、芝1800メートル)に出走するシュネルマイスター(牡4歳、美浦・手塚貴久厩舎)。直前の現地時間25日朝に嶋田純次騎手(レースではクリストフ・ルメール騎手騎乗)を背に、最終調整を行った。
「走る気があって良い状態と感じました」
嶋田はそう言った。
「初めての海外で、ナイター競馬も初めて。そのあたりの懸念材料があるわけではないけど、環境には慣れてくれたのでこなしてくれると思います」
そう語るのは管理する手塚。現地時間23日に行ったクリストフ・ルメールを背にした最終追い切りは、当初併せ馬の予定だったがルメールとうまく落ち合えなかったため単走になった。それについては次のように言った。
「単走になってしまったのは正直、アクシデントでした。でも、動きそのものは良かったし、最後もしっかり伸びてくれました。悪くなかったと思います」
実際、手綱を取ったルメールは次のように語る。
「単走でモノ見をしたけど、しっかり伸びてくれました。状態の良さを感じました」
指揮官が意気込みを語る
戦場となるメイダンの1800メートルに関して、手塚は言う。
「過去の実績を見ても日本馬が好走出来る舞台だと思うし、シュネルマイスター自身、毎日王冠を勝っているので心配していません」
手塚が言う通りドバイターフといえば過去にはアーモンドアイやジャスタウェイが圧勝。日本国内のGⅠでは実績のないヴァンドギャルドをしても昨年2着に好走したレース。また、シュネルマイスターが同じ左回りで1800メートルの毎日王冠を制した時、2着に破ったのは安田記念(GⅠ)の覇者ダノンキングリー。確かに申し分のない戦場と言えるだろう。
また「まだ若くて成長しています」と言うルメールの弁にも首肯して、続ける。
「コンパクトにまとまっている感じで、元々バランスの良い馬ではあったけど、以前は弱々しさも残っていました。それが古馬になり徐々に解消されてきています。1年間と比べると体が20キロくらい増えているし、ゲート難も解消されて精神的な成長が感じられます。確実に良くなっているのは間違いありません」
相手関係については次のように語る。
「全馬をチェックしているわけではないですが、昨年の勝ち馬であるロードノースは強いと思います。また、日本勢も侮れないのは間違いないでしょう」
その上で、続ける。
「それでもシュネルマイスターが自分の力を発揮出来れば、確実に好勝負出来ると信じています」
これについてはルメールも全くの同意見だ。
「シュネルマイスターはグランアレグリアを相手にも頑張りました。僕はグランアレグリアに乗っていたけど、怖い存在でした。日本であれだけ走れる馬なら世界に出ても間違いなく通用します」
帰国後は安田記念という選択肢もあるようだが、指揮官は最後に旗幟鮮明に言った。
「まずは今回で全力勝負。好結果を残した上で、今後どうするかは考えていきたいです」
発走は日本時間27日の0時20分。先出のロードノースの他にパンサラッサやヴァンドギャルドといった日本馬を相手に、シュネルマイスターがどんなパフォーマンスを披露するか。注目したい。
(文中敬称略、写真撮影=平松さとし)