ウクライナ政府、夜でも精確に攻撃できる「バンパイア(吸血鬼)攻撃ドローン」270機を最前線に
15kgの爆弾搭載・サーマルカメラ搭載で夜も精確な攻撃
2023年8月にウクライナの副首相のミハイロ・フェドロフは自身のSNSでウクライナ製の「Vampire attack drones[バンパイア(吸血鬼)攻撃ドローン]」270機を最前線に送ることをショート動画で紹介していた。副首相によると15キログラムまでの爆弾を搭載することが可能でロシア軍の戦車などを破壊できる。またサーマルカメラが搭載されているので夜中でも精確に攻撃を行うことができる。真っ黒なボディと夜間でも精確に攻撃を行うことができる夜行性なところから「vampire(吸血鬼)」に例えているようだ。
副首相は「効率的に攻撃を行うことができますので、近いうちにこの"鳥たち"の爆発による結果をお見せすることができるでしょう。ウクライナ軍に栄光あれ!」と語っている。
2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。ウクライナ軍では監視・偵察目的で導入した民生品ドローンに爆弾や手りゅう弾を搭載してロシア軍の上空から落下させてダメージを与えている。小型民生品ドローンに爆弾を搭載して標的に突っ込んでいく、いわゆる神風ドローンによる攻撃もよく行われている。
デジタル推進も担当しているミハイロ・フェドロフ副首相は、ロシア軍がウクライナに侵攻した直後から、ドローンの開発と調達を積極的に進めてきた。今回、最前線に送られる攻撃ドローンはウクライナ製だが、ウクライナ国内でのドローン製造だけでなく、世界中の政府や団体などにもドローン提供をよびかけており、多くのドローンがウクライナ軍に提供されている。
ウクライナ軍だけでなく、ロシア軍もイラン製軍事ドローン「シャハド」でウクライナ軍に突っ込んできたり、ウクライナ軍と同じように民生品ドローンに爆弾を搭載してウクライナ軍に爆弾を投下して攻撃を行っている。そのため両軍によって上空のドローンの迎撃と破壊も頻繁に行われている。ウクライナ軍はロシア軍のドローンを毎月数百機ほど破壊している。ドローンは監視・偵察用も攻撃用も何台あっても戦場では足りない。今回は270機の新たなウクライナ製のドローンが最前線に送られるが、これからも更に多くのドローンが最前線に送られていくだろう。
▼副首相の公式SNSで270機のウクライナ製攻撃ドローンを最前線に送ることを発表。