アド街で話題　伊香保温泉と草津なら「どっちに行くべき？」泉質、温泉街、混雑度から意外なちがいまで

穴場ずらし旅、愛好家

11/23(土) 21:55

宿泊経験500泊。関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな！です。

テレビ東京系の「出没！アド街ック天国」で伊香保温泉が取り上げられました。伊香保は、同じ群馬県内の温泉地として、草津温泉と迷う立地です。

今回は旅の専門家が、泉質、町の雰囲気、混雑度などを比較してみます。

Ｑ　伊香保温泉の象徴が「365段の石段」だそうですが、草津温泉の「湯畑」と比べると、どうですか？

はい。伊香保温泉の象徴が、下を温泉が流れる365段の石段です（上の写真）。

ライトアップの美しさでは、草津温泉の「湯畑」に一歩譲りますが、石段を登りつつ後ろをふり返った景色は、一生忘れられない景色です。

草津温泉の「湯畑」も、草津白根山から地中を流れる温泉が湧き出す場所であり、取ってつけた名所ではなく、200年以上の歴史とも言われる由緒正しい観光スポットです。

一方、伊香保の「石段街」も約400年の歴史を持ち、下を流れる源泉を両側の宿に分配する、温泉地に必要な設備です。

両温泉の象徴である「石段街」「湯畑」の歴史や必然性、見た目の素晴らしさは、互いに一歩も引かず、ここは引き分けの判定です。

Ｑ　伊香保温泉の泉質はどうなのでしょうか？草津は全国的にも名湯として名高いと言われますが？

はい。伊香保温泉には、写真の黄金の湯（こがねのゆ）と白銀の湯（しろがねのゆ）があります。２つの湯を比べて楽しめるのが特徴です。

黄金の湯は鉄分が多く、湯の色やにおいに温泉感が強いため、アド街でも伊香保温泉の象徴と紹介されました。

約30年前に新しく湧いた白銀の湯は、見た目やにおいが地味で、黄金の湯ほど人気はないようです。

筆者は伊香保温泉を訪ねたときに、白銀の湯の宿しか取れず残念に思ったことがありました。しかし浴室を開けると、鼻から感じる独特の空気感があり、今でも印象に残っています。小さい旅館で、湯の鮮度が高かったのかも知れません。

一方、草津温泉は、においからして伊香保以上に強烈な硫黄泉をはじめ、酸性の強い温泉が目立ちます。手で触るとピリピリし、熱々の湯も多いです。

火山からできたての温泉が運ばれてくる草津は、あのブラタモリでも紹介されたほどです。

このように、温泉の質としては草津の方がインパクトがありますが、肌質を選びます。同行者に肌が弱い人がいる場合、短めに入って水道のお湯で流すなど、気づかいが必要な場合もあります。

伊香保は万人向け、草津は人を選ぶと言えるでしょう。温泉マニアなら、とにかくお湯が強烈で、源泉の違いも楽しめる草津が良いと思いますが、人によるが答えになります。

Ｑ　混雑度はどうでしょうか？

はい。草津温泉は、日本を代表する人気温泉地だけあり、いつでも混雑している印象はあります。

穴場派におすすめしたいのは、平日の伊香保。人が少なくのんびり楽しむことができます。また、アド街でも扱っていましたが、夜は飲食店の営業が少なく、独自の静けさがあります。

混雑度で言えば、伊香保の方が、ゆったりと過ごすことができるでしょう。

Ｑ　温泉街の魅力はどうでしょうか？

はい。実は多くの人が気づいていないのが、草津温泉の温泉街の「作り」の素晴らしさです。

草津温泉では、バス停から湯畑を通り、温泉街を抜け、西の河原という観光スポットまでほぼ完全な１本道。この道は、旅館や土産物屋が大半を占め、一般的な住宅はほとんどありません。

つまり、草津温泉に来た人は、日常と乖離（かいり）した、まるでテーマパークのような魅力を楽しみ、日常を忘れることができます。草津温泉は、市街地と温泉地が驚くほどはっきり分かれており、これが伊香保にはない強みです。

あの東京ディズニーランドも、立地に浦安を選んだ大きな理由として、周囲の町から離れており、町の景色が見えないことがあります。

一方、伊香保温泉は、住宅地と温泉地が混ざり合っている雰囲気があり、人々の暮らしを感じることができます。

筆者はこのタイプの観光地は好きな方ですが、一般にはテーマパーク感の強い草津に軍配が上がるかも知れません。

また、草津、伊香保とも、見に行くべき場所がしっかり決まっている部分があり、あちこち歩きまわらずに、宿でゆっくり過ごすことが多くなります。これは、気になる場所が多い箱根や熱海などと異なる、草津・伊香保に共通する魅力です。

なお、温泉まんじゅうは、「温泉まんじゅう発祥の店」１本かぶりの伊香保に対し、草津温泉の方が種類が豊富です。

以上、筆者の個人的な意見も含みますが、伊香保と草津を比較してみました。秋冬のご旅行にお役立てください。

群馬の温泉地は、下の記事に紹介しています。

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