日本の南海上が騒がしい、来週にかけて台風発生の気配あり
低圧部が発生へ
タイトル画像をみると、日本の南海上は広範囲にわたって活発な積乱雲が湧き立っており、とても騒がしい状態となっています。このうち番号を付けたとおり、注目すべきは、沖縄付近に激しい雷雨をもたらしている①の積乱雲集団、さらに小笠原の南付近にある②③の積乱雲集団です。
あす28日(日)午前9時の予想天気図をみると、沖縄付近に発生している①の積乱雲集団付近で低圧部が発生する予想です。低圧部とは低気圧性の循環はあるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)で、中心付近が推定できるようになると熱帯低気圧に変わります。熱帯低気圧の風が強まれば台風となりますので、熱帯低気圧は台風のたまごと呼ばれています。
あさって29日(月)午前9時の予想天気図をみると、沖縄付近で発生した低圧部はその後不明瞭となり、天気図からは姿を消す予想となっています。
ところが代わって、②の積乱雲集団付近で新たな低圧部が発生する予想です。この②の低圧部が厄介で、その後西進しつつ、来週の後半にかけて、不確実ながらも沖縄付近で熱帯低気圧や台風であろう勢力に発達させるモデルが目立っている状態です。
また③の積乱雲集団に関しては天気図上での予想はないものの、一部のモデルでは日本の南に北西進させるような計算が存在したり、②の積乱雲集団に吸収されるような計算が存在したり、このあたりもかなり不確実な状態です。
以上のように、いくつかある日本の南海上の積乱雲集団の動向から目が離せません。
ECMWFの予想は?
参考までに、ECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)の発表では、②の低圧部が来週の後半にかけて、沖縄付近に進みながら次第に発達し、台風と思われる勢力となり、沖縄付近をゆっくりと北上する予想です。
これはあくまでも種々ある計算の中の1つで、今後大きく変わる可能性もありますが、非常に気がかりな計算結果ではあります。
秋雨前線と熱帯擾乱は危険な組み合わせ
来週の中頃から本州付近には秋雨前線が停滞し、しばらく雨の降りやすい状態が続きそうなのですが、ここに南の海上に発生する可能性のある熱帯低気圧や台風などがからむと、秋雨前線に向かって、いっそう湿った空気が流れ込むため、雨雲がより発達しやすい状態となります。
秋雨前線だけでも長丁場の雨により雨量がかなり増えるおそれはありますが、南海上の熱帯擾乱がどのように絡んでくるのか、要注目です。
来週後半は長丁場の大雨も?
全国の10日間予報をみても、来週31日(水)頃から秋雨前線の雨が降り出し、その後、連日のように東日本や西日本を中心に、断続的に雨が降る見込みです。
そして注目は沖縄の那覇についている9月1日(木)から3日(土)にかけての傘マークで、熱帯擾乱の発達具合によっては、この傘マークは強い風や大雨を伴った荒天となるおそれがあります。
今後も最新の情報にご注意下さい。