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南アフリカ代表戦向け「ビデオ」作成。前日本代表キャプテン、菊谷崇のいま。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
2011年のワールドカップでは、笑顔のリーダー。(写真:ロイター/アフロ)

2011年のワールドカップニュージーランド大会でキャプテンを務めるなど、ラグビー日本代表として歴代5位の68キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を獲得してきた菊谷崇はいま、国内最高峰トップリーグのキヤノンでプレーしている。

昨秋はワールドカップイングランド大会を戦うジャパンに向け、メンバーから落選した選手や代表チームに関わった関係者のメッセージビデオを集め、登録選手として現地入りしていた廣瀬俊朗元キャプテンへ送信した。

映像がチーム内で流れたのは9月18日。翌19日、ジャパンは予選プール初戦で南アフリカ代表に34―32で勝利。日本の各種メディアでは、映像編集を考えた廣瀬が「勝利の影の立役者」と報じられるなど、メッセージビデオは注目を浴びた。

昨今は、チーム合流前に18歳以下日本代表のスポットコーチを務めるなど、指導者への道を模索中だ。今季の開幕を間近に控えた8月6日、キヤノンのナンバーエイトとして釜石シーウェイブスとの練習試合でプレー。密集戦に身体をねじ込むなど、渋い光を放っていた。

36―12で勝利した後、単独取材に応じた(東京・キヤノンスポーツパーク)。

以下、一問一答。

――きょうは、暑いなかの試合でしたが。

「僕ら、普段は昼間に練習しているので。11時ごろにグラウンドへ出て…。それを思うと、かわいいものでした。(この季節の日中のトレーニングは)しんどいですけど、その後にゆっくりできるので」

――試合では、相手の密集の球出しを遅らせる動きが多くありました。

「それが仕事なので、当然の役割。そんなもんです!」

――今季のキヤノン、いかがですか。

「毎年のことですけど、若い選手が元気なので楽しいです。しんどい練習もひたむきにやりますし、きょうも後半になっても動けていて、テンポが上がっている。動ける、というのはいいこと。あとはよりプレッシャーがかかるなかで足を動かし、いい判断ができるか。それがキーになってくるかな、と思います」

――春先は、コーチングに注力されていますね。

「皆のひたむきな姿勢は感じます。昨年、日本代表が活躍してくれたことで、日本代表への思いがある。それに100パーセント応えられるようなコーチングを、と」

――日本代表といえば、ワールドカップの時にメッセージビデオを作成されたようですね。改めて、振り返っていただけますか。

「俊朗が映像を作ると言っていたのですけど、あいつは忙しいからと、僕が代わりに作っただけです。忙しいなか、身体張っているんだろうな、サポートしよう、と」

――あの映像が、勝利を象る大切なものになった、とも。

「そんな気がしているだけじゃないですか? ビデオがあったから(南アフリカ代表に勝てた)というわけではない。あれ(ビデオ)でモチベーションが上がったというだけで、皆がひたむきに努力し続けた結果です」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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