【伊勢市】中村左洲、嶋谷自然…明治期~昭和期に活躍した日本画家の作品を展示中 古市資料館~11月4日
「神都」伊勢で江戸期から昭和期にかけて活躍した画家を紹介する図録「神都画人」。刊行を記念した特別企画展(後期)が、中之町の伊勢古市参宮街道資料館で開催中です。11月4日まで。
「今回は明治期から昭和期の画家を紹介します」と話すのは、同展を企画した世古富保館長(76)。展示は円山四条派の流れをくむ「磯部百鱗」以降の画家11人の作品33点で、掛け軸が中心です。
磯部百鱗の門下生で明治期に活躍した二見町今一色出身・中村左洲の作品です。早熟の天才型で、20代のときに展覧会で賞を受け、その後もたびたび入賞。しかし結婚して子どもができると注文画を描き、弟子を取って職業画家に専念しました。通常の作品は図案を工夫した四条派の絵ですが、時々、実験的な変わった絵があるそうです。左洲といえば「鯛」が有名ですが、同展は今までとは異なる作品が並びます。
昭和期に活躍した鳥羽の坂手島出身・嶋谷自然の作品です。地元で中村左洲に学び、その後、矢沢弦月に師事。昭和4(1929)年、帝展初入選を果たし、戦後、官展が日展に引き継がれてから連続して特選に輝き、大家に。一生風景画を描き続けました。同展は従来の日本画とは異なるタッチの作品が並びます。四条派の面影はなく、時代の変化が分かりやすいです。
ほかに伊勢市出身の「川口呉川」、磯部百鱗の三男「磯部百舟」などの作品も並びます。芸術の秋。美術鑑賞をしてみませんか。
- 「神都画人」刊行記念 特別企画展(後期)
- 期間:~11月4日
- 会場:伊勢古市参宮街道資料館
- 所在地:伊勢市中之町69
- 開館時間:午前9時~午後4時30分(最終日2時)
- 休館日:7、15、21、28日
- 入館料:無料
- 連絡先:0596-22-8410