19年ぶりに誕生したMLB双子コンビ選手! まるで正反対のロジャース兄弟の不思議
【28歳でMLB初昇格を果たしたサブマリン投手】
ジャイアンツは27日のダイヤモンドバックス戦を前にロースターの入れ替えを行い、28歳の右腕サブマリン投手のタイラー・ロジャース投手をMLB初昇格させた。
ロジャース投手は早速MLBデビューを飾り、1-3の8回から5番手で登板し、3者凡退に抑える好投を演じている。
実はロジャース投手は、ツインズでクローザーを務めるテイラー・ロジャーズの双子の兄弟で、この日のMLBデビューでMLB史上10組目の双子選手コンビが誕生することになった。
この日テイラーもホワイトソックス戦に登板し、1回無失点の好投で今季21セーブ目を挙げ、タイラーのMLBデビューに華を添えている。
【エリートのテイラー、苦労人のタイラー】
ロジャース兄弟は双子ながら、まるで正反対の野球人生を歩んできた。
まず同じ環境で育ち、高校まで同じチームでプレーしながら、テイラーが左投げ、左打ちに対し、タイラーは右投げ、右打ちと、双子の兄弟とは思えない食い違いを見せる。
さらにテイラーは高校時代にオリオールズから37巡目指名を受けた後、プロ入りせず名門ケンタッキー大に進学する逸材だった。そして大学3年時の2012年にツインズから11巡目指名を受け、現在に至っている。
一方のタイラーは、高校時代にドラフト指名を受けないまま大学からもオファーが届かず、カンザス州のコミュニティカレッジ(試験無しで入学できる2年生大学)に進学する。そして2年後に、野球ではほぼ無名のオースティン・ピーイー州立大に編入。そこでの活躍が認められ、2013年のドラフトでジャイアンツから20巡目指名を受ける苦労人だった。
【速球派左腕のテイラー、技巧派サブマリンのタイラー】
プロに入ってからも、2人は好対照だった。テイラーは順調にマイナーのレベルを上げていき、2016年にMLB初昇格を果たすと、95マイル(約153キロ)前後の球速を誇る貴重な左腕投手としてMLBに定着。今シーズンはクローザーを任されている。
一方のタイラーは、テイラーより5センチ高い195センチの身長を擁しながら、上体を沈めて投げる下手投げ投手で、MLBデビュー戦でも最速で83マイル(約134キロ)に留まっている。
テイラーがMLB初昇格を果たした2016年には3Aまで昇格していたが、今日までMLB昇格にまでは至らなかった。
【双子コンビ誕生はマイナー兄弟以来19年ぶり】
『Sporting News』が投稿したツイッターによれば、テイラーはタイラーのMLBデビューの瞬間をTV観戦していたようだ。
前述通り、ロジャース兄弟はMLB史上10組目の双子選手コンビになった。『Baseball Almanac』によると、2000年に誕生したダモン&ライアンのマイナー兄弟以来19年ぶりの快挙だという。
ちなみにマイナー兄弟とマーシャル&マイクのエドワーズ兄弟も、ロジャース兄弟共同に左投げ、右投げに分かれている。またエディとジョニーのオブライエン兄弟、オジーとホゼのカンセコ兄弟、ジョーとレッドのシャノン兄弟の3組は、単なる双子選手コンビだけでなく、同じチームに所属していたこともある。
ところで9組中4兄弟は、兄弟の1人がわずか1シーズンしかMLBに在籍できていない。果たしてタイラーは今回の昇格を機に、テイラー同様MLBに定着することができるのだろうか。