東京都心など8地点で2週間全く降水なし。火災、インフルエンザなどに要注意。
関東平野は最も降水が起こりづらい地形
東京都心など関東平野部では特にカラカラの天気が続いています。
気象庁では、ごくわずかな降水でも1分ごとに観測出来る地上気象観測地点が全国に153地点(富士山、南鳥島、昭和基地を除く)ありますが、この中で昨年12月24日から1月6日まで2週間連続で一滴の降水も観測していない地点が8地点あります。
153地点中の8地点ですから、率にしてわずか5%程度のごく少ない地点ですが、それは東京都心、横浜、千葉、勝浦、つくば(館野)、秩父、甲府、河口湖の関東平野と山梨県です。
ではなぜ寒波が到来し、西日本を含めて雪のニュースが多い中で、関東平野には全く降水がないのでしょうか?
昨年、年末寒波が到来した12月29日の雲の様子をみてみると、大陸から到来した強い寒気のもと、相対的に暖かな日本海面上で発生した雪雲(雨雲)が北西の風に乗り、日本海側一帯に流れ込んでいる様子が伺えます。
ところがこの雪雲はあまり背が高くはなく、本州の中央部に連なる高い山を越えることが難しいので、太平洋側では基本的に雪は降りづらくなります。
ただ寒気が強く、風がとても強い場合などは、この雪雲が山を越えて太平洋側へも流れ出してくるのですが、関東平野は雪雲が流れ込んでくる西側一帯に特に高い山(2000~3000メートル級)が連なっているため、雪雲が弱まり、ほとんど降水現象が起こらないというわけです。
カラカラ解消、恵みの降水はいつ?
東京都心は2週間連続(14日連続)で、降水を観測していませんが、統計開始以来、全く降水が無かった最長の記録は23日間です。
この記録はほんの一瞬、ぱらつく程度の降水でも観測すれば途切れることになりますが、目先その可能性がごくわずかにあるのがあす火曜日の夜遅く~水曜日の朝にかけて。ただ降ったとしてもごく弱い降水です。
もし、地面が濡れるくらいの降水があるとすれば、今週末だと思われます。ただ低気圧が南の海上を離れて通れば、全く降らないことも考えられます。
もし、東京都心が上記の23日連続無降水記録(継続記録)に並ぶとすれば、来週の火曜日(15日)となります。
果たしてどうなるでしょうか?
火災、インフルエンザなどに要注意
東京都心は年末から乾燥注意報が出っぱなしの状態です。
さらに関東平野を中心とした太平洋側に広く乾燥注意報が出されています。
乾燥注意報とは、空気の乾燥により災害が発生するおそれがあると予想された時に発表されるもの。
具体的には、大気の乾燥により火災・延焼等が発生する危険が大きい気象条件を予想した場合に発表されます。
東京消防庁が発表している住宅防火10の心得などを参考にして、十分に気を付けましょう。
また国立感染症研究所が発表した昨年末のインフルエンザ流行レベルマップでは、警報レベルの所が増えてきていましたが、乾燥、低温が続いている太平洋側を中心に、さらに流行が加速している可能性が考えられます。
次回の発表は1月9日と予定されています。
うがい、手洗いを徹底するほか、乾燥対策や咳により病原体を含むしぶき(飛沫)が拡散することを抑ぐためにも、マスクなどの着用が有効です。