兵庫県でもクマの出没が48回と多発!7月3日には養父市で人的被害も起きている
筆者の住む兵庫県は、南の播磨地方は瀬戸内海に面しており、最南端となる淡路島からは太平洋も望めます。一方で兵庫県の北側に位置する豊岡市は、日本海に面しています。
ひとつの県で太平洋と日本海に接している珍しい地域であり、総面積は8,396キロ平方メートルと全国第12位を誇っています。
そんな兵庫県では、どんな場所にクマが出没しているのか調べてみました。
ガッコム安全ナビの「クマの出没情報」をデータベース化
今回は、ガッコム安全ナビの「クマの出没情報」から、情報を1件ごと確認し「クマらしき動物」など曖昧な情報は省いて、クマ出没情報を「目撃日・時間・場所・発見時の状況」の4項目でデータベース化しました。
6月15日~30日の15日間で39件の目撃情報があった
上記は6月15日~30日までの、兵庫県内におけるクマ目撃情報を一覧にしたものです。この一覧から、市町ごとのクマ出没件数をカウントしました。
市町別|クマの出没回数
- 豊岡市: 12回
- 美方郡香美町: 4回
- 美方郡新温泉町:4回
- 西脇市: 3回
- 佐用郡佐用町 :3回
- 養父市: 3回
- 朝来市: 3回
- 神戸市: 2回
- 丹波篠山市: 2回
- 赤穂郡上郡町: 1回
- 養父市八鹿町: 1回
- 宍粟市: 1回
- 合計: 39回
最も多いのは豊岡市で、12回の目撃情報が寄せられています。目撃したのはどの辺りなのか、地図で確認してみましょう。
一見すると目撃地点は山の中に見えますが、実はそうではなく以下のように人間の生活圏内で目撃されているのです。
気になるのは神戸市北区の目撃地点!
神戸市は兵庫県で唯一となる、人口約149万人を擁する政令指定都市です。そんな神戸市のどのような場所に、クマが出没するのか気になります。
上図は神戸市北区での、6月17日と24日のガッコム安全ナビの目撃位置ですが、これをGoogleマップで確認すると以下の通り、神戸電鉄六甲駅から約200mの場所になります。
しかも、山の中でなく住宅地のど真ん中であることが分かります。近くには中学校もあり、人的被害がなかったことが幸いです。
Googleマップによるクマの出没位置
7月1日から1週間で目撃情報は9回!養父市ではついに人的被害も起きている
7月1日~7日までのクマの目撃情報をまとめると、上記のように1日1回以上のペースを上回る9回の出没が確認。そのうち7月3日には養父市大屋町笠谷にて、近くに住む男性の猟師(72歳)が、クマに襲われる人的被害も起きています。
幸いにも命に別条はないとのことですが、クマやシカなどに慣れている猟師の方が襲われるのですから、一般人では命を落としかねません。
襲われた場所を報道情報から推測!
猟師の男性は、自分で仕掛けた鹿用のワナの様子を見にいったところ、ワナにクマがかかっており、ワナが外れてクマに襲われたとのこと。
ならば、相当の山奥かと思っていたのですが、ガッコム安全ナビの地図で目撃位置を確認するとそうではありません。
ただ、ニュースでは「山の中のワナを見に行った」の情報や「自力で下山した」との情報から、赤丸の「A」地点付近が現場と推測されます。
7月1週間の市町別|クマの出没回数
- 美方郡香美町: 3回
- 豊岡市: 2回
- 美方郡新温泉町:2回
- 養父市大屋町: 1回
- 西脇市: 1回
- 合計: 9回
7月1日~7日までの1週間では、美方郡香美町が3回と最も多く目撃されています。先と同じように地図で、香美町での出没地点を確認してみましょう。
1件は山の中の河川敷ですが、残りの2件は以下のように住宅地に出没しています。
基本的に猟師の方や登山者以外の一般の方が、クマを目撃するのは日常生活を送る自宅周辺です。
そのため、記事内で確認した「豊岡市・神戸市北区・美方郡香美町」などでも、住宅街にクマが現れていることが分かります。アーバンベアと化しているからこそ、目撃情報も多くなるのでしょう。
クマも生きていくために食料を求めて、住宅地にやってくるので仕方ないと思える部分もあります。
しかしながら、我々人間の生活や命を脅かすことのないよう、クマの駆除は致し方ないことかもしれませんね。