子どもとの会話で“言葉以外”に注目すべきこととは?話を聴く時のプロの観察テクニックを解説!
こんにちは!幼児教育講師のTERUです!
今回は『子どもの話を聴く時のプロの観察テクニック』というテーマでお話しさせていただきます。
これはもちろん子育てでの親子のコミュニケーションでも活用できるものです。
みなさんの子育ての少しの参考になれば嬉しいです!
▼動画で観たいという方はYouTubeでも配信していますのでこちらをご覧ください。
【観察して聴くとは?】
簡単に言うと
『子どもの言葉だけでなくその周りにある仕草や表情から感情を読み取り、話を聴くこと』
子どもの話をただ単に聴くのと、観察しながら聴くのではコミュニケーションの質に雲泥の差が出ます。
子どもはまだまだ話すことが上手ではありません。
そんな子どもの言葉だけを受け入れて会話をしていくと、子どもの意図することと大きくずれた解釈をしてしまうことがあります。
言葉以外のメッセージから子どもの本当のメッセージ受け取ることができれば、子どもとスムーズなコミュニケーションを取ることができ、子育てにおいて最も大切な信頼関係を構築することにもつながります。
そして、子どもとの信頼関係がきちんと作れれば子育て全体が上手く回っていきますので、この『観察して聴く』と言う技術はとても重要だと考えます。
それではここからは具体的に観察して聴く3つの方法について解説していきます。
①ストーリーではなく感情に注目して聴く
子どもの話を聴く時には起こった事実ではなく、子どもの心を観察すると言うことですね。
ストーリーを聞く
◯◯くんが◯◯をして結果こうなった
↓
感情を理解する
◯◯くんが◯◯をしたときこう思った
ストーリーにフォーカスを当てて聞いた場合と感情にフォーカスを当てた場合とでは、親が受ける印象が全く違う場合が多くあります。
例えば、
お友達のおもちゃを取ってしまった子どもの話を聞いている時
「子どもはお友達からおもちゃを取り上げて、お友達を泣かせてしまった」
という理解になってしまいがちです。
そしてその結果「困った子だなぁ、子育ての方法が間違っていたかもしれない」などといった考えが生まれてきてしまうかもしれませんよね。
「子どもがお友達からおもちゃを取り上げてしまったのは、誕生日にもらったおもちゃで取られるのが怖かったからだったのか。いつも家でお兄ちゃんにおもちゃを独り占めされて悲しい思いをしているようだから、お兄ちゃんと会話して、仲良く遊ぶよう促してみよう。」
このように子どもの心が見えてくるため、対応策も講じられます。
両方同じことが起こっているのですが、受ける印象とそのあとに親が取る行動は全く違うものになっていくのです。
②感情の分類を考えながら聴く
上手に感情を聴くためには、話をしているときの子どもの感情が喜怒哀楽のどれに当てはまるかを考えながら聴くことをおすすめします。
感情を理解しようと思うだけでは漠然としてしまいますが、感情を分類しようと思って聴けば、頭の中で具体的に子どもの話すストーリーから感情をイメージすることができるようになります。
③非言語コミュニケーションを観察して聴く
人が会話を通じて得る情報の半分以上は非言語コミュニケーションから受け取るものと言われています。
非言語コミュニケーションとは文字通り言葉以外のメッセージのことを言います。
子どもは話すことが上手くないため、会話の奥の感情を理解するために非言語を拾ってあげる必要があるのです。
種類は大きく分けると6つ。
特に代表的なものをそれぞれご紹介します。
ちなみに今からご紹介するものは、あくまでそういうケースがみられたり可能性があるというものです。
それらの状態が見られたからといって必ずしもそうだということではありませんので、懸念しすぎないようにしてくださいね!
・“腕を組む” = 心を開いていない
結論を急がずじっくりと話を聴いてあげる必要があります。
・“手首や袖口を触る” = 興奮したり落ち着かない自分を冷静にさせようとしている
まくし立てるような話し方はせず、ゆっくりしたスピードで話を進めると良いでしょう。
・“首をかく” = 精神的・肉体的に疲れている
子どもは話を切り上げたがっているかもしれません。無理に話すことなく少し休憩を取ってから話を再開してみてください。
・“顔を触る” = 自分の感情を隠したい
このときに質問をするのは逆効果ですので、話を聴くことに徹してあげましょう。
・“指をいじっている” = 会話に飽きてしまっている
会話に引き込むために質問をしてみると良いでしょう。それでも指をいじり続けているようなら休憩を取ることをおすすめします。
・“腕を使って話をしている” = 気持ちが乗ってきている
話したいことがたくさんあるため、しっかりと聴いて、こちらも興味があるように熱を合わせて反応してあげるとさらにたくさん話してくれます。
・“声が大きすぎる” = 何かに恐怖や不安を感じている
「大きな声出さないでよ!」などと注意するのは逆効果です。声の大きさは気にせず「わかったよ、そうだよね。」と普通のトーンで相槌をしてあげてください。
・“声が明るい” = 楽しいという感情
さらに聴き続け、メッセージを引き出してあげましょう。
・“声が小さい” = 自信や確信がない
「そうなんだ!良く知ってるね!」などと子どもの話に自信が出るような相槌を積極的に入れてあげると良いですね。
・“距離が遠い” = 心を閉ざしていたり、何かに恐怖を感じている
無理に距離を取らずにその距離のまま話を聴いてあげてください。
・“距離が近い” = 甘えたい
年齢にもよりますが会話だけでなく、体にも触れてコミュニケーションを取りながら聴くと安心してさらに話してくれたりします。
・距離が近いが体の向きが自分へ向いてない=心を閉ざしている
無理に距離をつめたり大人が積極的になりすぎない方が無難な場合が多いです。
・“ため息” = 嫌なことがあったり悩んでいたりと気持ちが沈んでいる
最後まできっちりと話を聴き、気持ちを整理させ、原因を引き出してあげましょう。
・“息を早く吸う” = 落ち着かず焦っているもしくは興奮している
距離が近い場合は、背中をさすってあげて落ち着かせてあげるのも良いです。
・“親の目を見ない” = 自信がないもしくは感情を隠したい
目線が合わなくても目を合わせるように強制したりせず、ゆっくり話を聴いてあげ、「お母さんとっても良く分かったよ」「何でも言ってね」と安心する言葉がけをしてあげると次の会話につながります。
・“目をこする” = 何か見たくないものがあったり、向き合いたくないことがある
こんなときに子どもに何かを決断させるのは段階が早いことが多いです。まずは向き合いたくないものが何かを聴きながら引き出していきましょう。
・“斜め上を向く” = 何かを思い出そうとしている
この時はあまり口を挟まずに、言葉が詰まっても待ってあげると良いですね。
・“まばたきが多い” = 緊張をしている
理由は様々ありますが、お母さんとの会話においてまばたきが多いのであれば、もしかしたらお母さんの表情が怖いかもしれません。少し表情を緩め微笑むように聴いてあげると緊張を解くことができます。
沈黙には3つの理由があると言われます。
1) 次に何を話そうか考えている
2) 精神的・肉体的に、疲れている
3) もう話したくない(会話への拒否反応)
沈黙が多い場合は、無理に話し続けずに別の日に話の続きをするようにすると良いでしょう。
【さいごに】
いかがでしたでしょうか?
以上が観察する時の考え方や、子どもの見方です。
今回の観察する技術は子育てのあらゆる場面で子どもを正しく理解する助けになってくれると思います。
少し難しい内容だったと思いますので、何度か見直して自分のものにしていっていただけると嬉しいです。
できる限りできる範囲で実践してみてくださいね!