宿題は子どもの自主性に任せる?親が手伝う?子どもの学力とモチベーションを高める宿題のコツ
子どもが学校から帰ってきたら、親は宿題をさせたいと思うことがよくあります。でも、宿題の量や内容によっては、子どもの学ぶ力ややる気に悪い影響を与えることもあります。では、「子どもにとってちょうどいい宿題の量ってどれくらいなの?」「それとも、親は子どもの宿題をどう手伝えばいいの?」と不安に思うことでしょう。この記事では、宿題の適切な量の目安や効果的なやり方についてお伝えします。
⑴ 宿題の適切な量の目安は「学年×10分」
- 小学1年生から2年生まで:1日あたり10分程度
- 小学3年生から4年生まで:1日あたり20~30分程度
- 小学5年生から6年生まで:1日あたり30~60分程度
ただし、これはあくまでも目安で、個人や地域、学校の方針によって違うこともあります。そして、宿題の種類や内容によっても、時間よりも質が大切です。宿題が多すぎると、子どもの負担が増えてしまって、学ぶ気持ちが下がることもあるので調整をしましょう。また、子どもの学力や能力、環境を考えて、宿題の量を調整してみるのも大切です。最初は、取り組む意欲がわかない子もいます。毎日決まった時間学習をする習慣づけをしていくことを目指しましょう。
⑵ 宿題の量と学力には関係ないこともある
宿題が多いと、学力が上がると思う保護者もいますが、実際にはそうではありません。ある調査では、宿題をたくさんやっても学力が上がらないことがわかっています。単に、宿題の量を増やしても学力は上がりません。
例えば、よかれと思って、子どもに問題集を買ってやらせたとします。初日は意欲的にやるかもしれませんが、次第にやらなくなります。子どもは自分のために、保護者が考えてくれたことに嬉しさを感じてやっただけなのです。逆に、やらなければならないことが増えてしまって、日を追うごとにやらなくなります。
⑶ 「やらされている」から「やりたい」へと変える
宿題は、その日の授業の内容を使っています。でも、もし授業で理解できなかったら、宿題もできません。そういう場合、子どもは宿題をしなくてはいけないことは分かっていますが、自力ではできません。そこで保護者が怒ったりすると、子どものやる気がなくなり、学力も下がってしまいます。「宿題はやったの?」と聞くと、素直な子ほど「めんどくさい!」と言ってしまいます。
そもそも、宿題をいとも簡単にやってのける子は、その学習の理解をしていると言ってよいでしょう。理解しているなら、わざわざ時間をかけて復習する必要はありません。理解している子どもにとっては、「やらされている」と感じて、宿題に対してのモチベーションが下がります。
「宿題は必要ないのでは?」と思うかもしれません。しかし、先ほども述べたように、学習の習慣をつけておくことは、今後の子どもの成長にとってとても大切なことです。大切なことは、宿題をどうやらせるかです。次のようにしてみると、子どもは「またやりたい!」と言い始めます。
- 計算問題は保護者と子どものどちらが早くできるか対決する
- 音読は保護者と子どものどちらがノーミスで読めるか対決をする
- 漢字はどれか1文字でも丁寧に書けたら、大袈裟に褒める
ここで、気をつけることがあります。保護者がおしいところで負けることです。すると、子どもは「やった!」と思って、必ず「もう一回やろう!」と言います。こうなれば、しめたものです。そこで、次のように言ってみましょう。
「悔しいな。次は負けないように練習する時間をちょうだい。〇〇くん(ちゃん)も練習の時間欲しいでしょう?そのあと、もう一回対決しよう!」
「練習の時間を何分とったらいい?」
ポイントは、練習が必要だということを実感させること、練習の時間を子どもに委ねることです。子どもが練習が必要だと感じさせることができれば、同じ宿題をやるにしても、子どもにとっては親子対決のゲームになります。ですから、練習の時間を5分取ったら子どもは必ず集中します。
そして、練習時間を子どもに決めさせることで、学習の主導権を子どもが持つようになります。すると、子どもが自分で宿題の計画や管理をすることができるようになってきます。
「明日、また勝負しよう。それまでに練習しておくね。〇〇くん(ちゃん)と同じくらい練習したいから、どれくらい練習するか教えて?」
このように子どもに聞くと、子どもは次の日の勉強時間や練習する回数を自分で決めることができます。もちろん、困ったときに助けを求めることも大切です。
「わからなかったら、コツを教えるよ!」
といって、助けてあげましょう。また、子どもに計算のしかたなどを説明したい場合は次のように聞くとよいでしょう。子どもは嬉しがって、計算のしかたを説明します。
「最近、〇〇くん(ちゃん)はいつも勝つけど、何かコツはあるの?」
このように、親が子どもの宿題に興味を持ち、適切に関わることで、子どもの学習への姿勢やモチベーションを向上させることができます。
⑷まとめ
宿題は、子どもの学力やモチベーションに影響を与えるものです。宿題の量は、学年によって異なりますが、一般的には「学年×10分」が目安です。宿題の量が多すぎると、子どもの負担が増えてしまい、学習意欲が低下することがあります。宿題は、親が子どもの宿題に興味を持ち、適切にかかわることで、効果的になります。親は、子どもの自信や自立を育むために、子どもの宿題の計画や管理、場所や時間の決定、困ったときの対処法、チェックやフィードバック、ほめるや励ますなどのサポートをすることができます。宿題は、子どもの学習だけでなく、親子の関係にも良い影響を与えることができます。