Windows 11が捨てるもの。取り入れるもの
日本時間の2021年6月25日午前0時より、Windows 10の後継OSとなるWindows 11のオンライン発表会が行われました。リリース時期は2022年前半となるとのこと。Windows 10は2015年7月にローンチされたため、7年越しのメジャーアップデートとなります。
以前よりWindows 10が最後のWindowsだ、という話がありましたが、発表会の内容を見るかぎりWindowsのOS名は継承する模様。しかし大幅な断捨離により、現代にフォーカスをあわせながら未来を見据えたOSとなりそうです。
マイクロソフトが提示したWindows 11の概要
マイクロソフトが公開した「Windows 11 のシステム要件、機能、デバイスの要件について」によれば、以下の機能が廃止または削除されます。
・音声アシスタントCortanaの廃止
・Internet Explorerの無効化
・難しい数式入力のアシストをしてくれた数式入力パネルの削除
・セキュリティレベルが高い代わりに使用できるアプリが限られていたSモードは、Windows 11 Home Editionのみで利用可能
・Skype 今すぐ会議機能はChatに置き換え
・スタートメニューはライブタイルおよびサイズ変更不可、フォルダーへの対応停止
・タブレットモード、タイムライン、Walletの廃止
同時に64bit専用OSとなり、Windows 11 Homeの初期設定時とWindows Updateではネット機能が欠かせなくなります。
過去の遺産との決別となるか
64bit対応CPUが必要という言葉を額面通り受け取るなら、32bit版のOSは提供されないと見ていいでしょう。テレミーティングアプリとオフィスアプリをマルチタスクで動かすことが求められる現代において、メモリを4GBまでしか認識しない32bit OS自体もう不要なものと言ってもいいでしょうけど、同時に過去に作られたアプリやデバイスドライバをサポートしない、過去バージョンとの互換性を捨てていくという表明にも見えます。
Windowsは工場の管理システムなどでも多く使われてきたOSゆえに、新バージョンのOSで今までの常用アプリが動かせるかどうかが評価の焦点となることがありましたが、今回はどうなるでしょうか。
音声アシスタントブームにのっかったという印象が強かったCortanaの廃止などは、マイクロソフトとしても断腸の思いであると想像できます。ある意味、非を認める行動であり、肥大化したWindowsをシェイプアップしようとする姿勢だと考えられます。Internet Explorerの無効化をも含め、個人的には拍手を送りたい。
コミュニケーションを加速させる
ネットの反応を見ていると、現時点でタスクバーが画面下部限定となることに悲観しているユーザーが多い模様です。筆者個人もタスクバーを上部に置いているため、正式版公開までに仕様変更をお願いしたいところですが、Microsoft Teamsが統合されており他のユーザーとのオンラインコミュニケーションがしやすい設計となりました。
大画面を活かせるUIに
ウィンドウを全画面表示した際のウィンドウサイズを決められるスナップ機能は、より自由度の高いものとなりました。縦長ウィンドウを3枚並べる、横長ウィンドウを4枚並べるといったレイアウトも可能です。
1枚のディスプレイなのに、まるで複数枚のディスプレイを使っているかのようなレイアウトで表示できる機能は、大きなディスプレイを使っているユーザーにとって福音です。WindowsはノートPCでも15~17インチの大画面を持つモデルが多く、デスクトップでも32インチ超のディスプレイを使うユーザーが増えています。省スペースで作業効率を高めるための機能となってくれるでしょう。
Androidアプリのインストール・実行が可能に
Google PlayではなくAmazon アプリストアで公開されているメジャー級のアプリのみとなりますが、Androidアプリのインストールにも対応しました。PCからの利用が難しかったInstagramやTikTokといったアプリが使いやすくなりますね。
スマートフォンファーストの時代に合わせたPC OS
ほかにもウィジェットを改めて採用しています。Windows VistaやWindows 7時代のガジェットとは異なり、スマートフォンの画面のような枠ありきというのがポイント。スマートフォンで慣れ親しんできたUIにPC OS側が合わせてきたことになります。