オランダ在住のひかさん夫婦。子供時代にひかさんは何度も上り下りしたオランダ坂へ、初見の夫を連れていく事にします。

ひかさんは子どもの頃、お祖父さんから「オランダ坂」についての説明を聞いた際、しっかり理解していなかったため、「オランダにある坂に似せている」と思い込んでいたそうです。しかし、実際のところオランダは極めて平坦な国であり、山や坂がほとんど存在しません。坂が見られるのは、ドイツやベルギーとの国境付近に限られています。

一方、長崎にはハウステンボスや出島といったオランダとの深い歴史的なつながりがあります。オランダ人が出島で日本と交流を持ち、その文化や文学に感銘を受けたこともあります。例えば、出島から帰国したオランダ人が、俳句の巨匠である芭蕉の句に深い感動を覚え、その句をオランダの建物の壁に大きく描いて残している例があります。

さらに、長崎にあるテーマパーク「ハウステンボス」は、オランダ語で「huis ten bosch」、すなわちオランダ王家の宮殿に由来する名前です。

ひかさんは、子どもの頃、地球の裏側にある遠いオランダに将来住むことになるなど、夢にも思っていませんでした。人生は本当に予測できないもので、こうした出来事がひかさんにとって、オランダとの不思議な「縁」を感じさせるものとなっているのかもしれません。